Propiverine hydrochlorideのイヌ経口投与による13週間亜急性毒性試験および5週間回復試験
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概要
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イヌにP-4の0, 1, 3, 9および27mg/kg/dayを13週間連続経口投与することによって, その亜急性毒性および回復性について検討し, 以下の結果を得た. 1. 一般状態の観察では, 3 mg/kg/day以上の雌および9 mg/kg/day以上の雄に散瞳がみられ, 連日, 断続的あるいは散発的に発現するものなど個体間にばらつきがみられたが, 投薬期間中にすべて消失した. 2. 体重では, 27mg/kg/day投与群の雌雄に軽度の増加抑制がみられた. 3. 摂餌量, 摂水量, 眼科学, 心電図, 血液学的, 尿および糞潜血検査に特記すべき変化は認められなかった. 4. 血液生化学的検査では, 27mg/kg/day投与群の雌雄にT. cho, F. cho, TG, PL, TP, ALB, α_1-GLOおよびCaの減少, A Pおよびγ-GTP活性値ならびにEST/Tの増加, 血清リポ蛋白の減少および肝組織内T. cho, TGおよびPLの増加がみられ, 9 mg/kg/day 投与群でも同様の傾向が軽度にみられた. 5. 病理学的検査では, 3 mg/kg/day投与群の雌雄の少数例に肝細胞肥大, 9 mg/kg/day以上の群の雌雄に肝の黄色化と重量増加がみられ, 脂肪変性を伴う肝細胞肥大および細胞質内に好酸性封入物, 27mg/kg/day投与群の雌雄に小葉間胆管の軽度増生およびグリソン域の軽度な細胞浸潤などがみられた. 肝の組織化学的検査ではA Pおよびγ-GTP活性の上昇がみられ, 微細脂肪滴の沈着を認めた. 電顕的観察では, 肝に滑面小胞体の増生, ミエリン様封入物および小脂肪滴の増加を認め, 薬物代謝酵素の誘導が示唆された. 6. 上記諸変化は休薬することによってすみやかに消失し, 明らかに可逆性の変化であった. 7. 以上の結果から本試験における無影響量は雌雄とも1 mg/kg/day, 確実中毒量は雌雄とも9 mg/kg/dayと推定された.
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1989-10-31
著者
-
入村 兼司
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
丸伝 章
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
森田 健一
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
森田 健一
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全研究所
-
矢田 英昭
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全性研究所
-
矢田 英昭
大鵬薬品工業株式会社 安全性研究所
-
山下 和正
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全性研究所
-
入村 兼司
大鵬薬品工業
-
山下 和正
大鵬薬品工業
-
丸伝 章
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全性研究所
-
丸伝 章
大鵬薬品工業株式会社
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