Cefodizime sodium の急性毒性試験
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概要
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THR-221のマウス, ラット, 幼若ラットおよびイヌにおける急性毒性作用について検討し, 以下の成績を得た. 1. THR-221の各投与経路におけるLD_<50>値は, マウス静脈内投与時;堆7200 (6260-8280)mg/kg, 雌5000 (4410-5680) mg/kg, 腹腔内投与時;雄10500 (9722-11340) mg/kg, 雌11000(9565-12650)mg/kg, 皮下投与時;雄17500 (15542-19705)mg/kg, 雌16500 (14474-18810) mg/kg, 経口投与時;雄28000 (25480-30769) mg/kg, 雌29000 (26852-31320) mg/kg, ラット静脈内投与時;雄7000 (6430-7620) mg/kg, 雌8200 (7350-9140) mg/kg, 腹腔内投与時;雄9500(8559-10545) mg/kg, 雌8800 (8302-9328) mg/kg, 皮下投与時;雄17000 (15320-18870) mg/kg, 雌15500 (140900-17050) mg/kg, 経口投与時;雌雄共20000 mg/kg以上, 筋肉内投与時;雌雄共3200mg/kg以上, 幼若ラット皮下投与時;雄5278(4978-5552) mg/kg,雌5314mg/kg (信頼限界算出不能), イヌ静脈内投与時; 5000mg/kg以上であった. 2. 本剤投与後に観察された主な一般状態の変化は, マウス, ラットとも, 自発運動の減少, 腹臥, 呼吸の異常, 失調性歩行, 間代性あるいは間代性-強直性痙攣, チアノーゼで, さらに, マウス経口投与では下痢が, ラット経口投与では流涎が観察された. 一方, 幼若ラットの皮下投与では呼吸の異常, 苦悶状態, 外刺激に対する反応の消失, 投与部のうっ血が認められ, イヌ静脈内投与では嘔気または嘔吐, 鼻端の乾燥, 軟便あるいは粘液便の排泄が見られた. 3. 肉眼および組織所見では, マウス, ラットの死亡例に, 脳表面の出血が認められ, さらに, 腹腔内投与では腹腔内液体貯留, 腹腔内壁の暗赤色点の散在が観察され, 皮下投与では, 投与部皮下の液体または寒天状物の貯留および出血が認められた. また, マウス経口投与では消化管内の液体貯留および粘膜面の暗赤色斑の散在が見られた. 幼若ラット死亡例では, 投与部皮下の出血が見られ, 組織学的に皮下出血, 浮腫, 皮筋の萎縮・変性が観察された. 4. イヌ静脈内投与時の血液学的検査では, 白血球数の増加および貧血傾向が見られ, 血液生化学的検査では, GOT, LDHおよびALP活性の上昇および尿素窒素, 無機リンの軽度の増加あるいは減少が, さらに, 低用量群の1例にGPT活性の上昇が, いずれも一過性に認められた. 5. イヌ静脈内投与時の肉眼および組織所見では, 投与部皮下に軽度の炎症性変化が観察された.
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1988-06-03
著者
-
中野 茂樹
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
桑田 雅彦
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
矢田 英昭
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全性研究所
-
矢田 英昭
大鵬薬品工業株式会社 安全性研究所
-
和田 直人
ヘキストジャパン株式会社 医薬総合研究所
-
稲津 水穂
ヘキストジャパン
-
中野 茂樹
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全研究所
-
稲津 水穂
ヘキストジャパン株式会社 医薬総合研究所
-
森岡 浩
ヘキストジャパン株式会社 医薬総合研究所
-
宮本 政樹
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 生物研究部
-
坂口 孝
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 生物研究部
-
小林 孝好
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 生物研究部
-
小林 孝好
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 開発研究所
-
小林 孝好
ヘキストジャパン
-
桑田 雅彦
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全研究所
-
坂口 孝
ヘキストジャパン
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