Cefodizime sodiumのラット皮下投与による6ヵ月間慢性毒性試験および5週間回復試験
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概要
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THR-221を, 6ヵ月間連続皮下投与する慢性毒性試験を実施し, その影響を検討した. 1. 試験期間を通じて死亡例は見られず, 一般状態の変化においても一部の動物に軽度の自発運動の減少が見られたにすぎなかった. 一方, 投与部では皮下組織に液体貯留, 痂皮形成, 脱毛, 皮膚の穿孔が1000mg/kg/day以上の投与群に認められた. 2. 体重の推移では1000mg/kg/day以上の投与群の雄で, 投与開始後1ヵ月頃より増加抑制が見られたが, 摂餌量には何ら影響は認められなかった. 摂水量の増加は, 1000mg/kg/day以上の投与群で, 投与開始初期から5ヵ月頃まで認められた. 3. 血液学的検査では, 貧血または軽度の赤血球数の減少および血小板数の増加, あるいは, 網状赤血球数の増加が本剤各投与群に見られた. また, 白血球数, 好中球の増加およびリンパ球の減少が3000mg/kg/day投与群に観察された. 4. 血液生化学的検査では血漿中の総蛋白量, アルブミン量, グロブリン量の減少およびA/G比の減少または増加が, 本剤投与群で認められた. 5. 剖検時, 本剤各投与群で, 盲腸の拡張, 投与部皮下の血腫, 暗赤色斑, 黄褐色斑が観察された. 300mg/kg/day以上の投与群では脾臓の肥大も認められた. 6. 臓器重量では, 肝臓重量の減少が本剤投与群に, 脾臓重量の増加が3000mg/kg/day投与群に見られた. 7. 病理組織学的検査では, 300mg/kg/day以上の投与群に, 尿細管上皮細胞質内に褐色顆粒あるいは硝子滴が観察された. 投与部位では, 皮下組織の出血, 炎症性変化が見られ, 脾臓, 骨髄では白血球系細胞の増加が本剤各投与群に見られた. 8. 尿, 眼科学的および聴覚検査では, 本剤投与による影響は見られなかった. 9. 本試験の毒性学的な無影響量は雄 : 300mg/kg/day, 雌 : 1000mg/kg/day以上と推定される.
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1988-06-03
著者
-
和田 直人
ヘキストジャパン株式会社 医薬総合研究所
-
矢島 隆二
ヘキストジャパン株式会社 医薬総合研究所
-
稲津 水穂
ヘキストジャパン
-
稲津 水穂
ヘキストジャパン株式会社 医薬総合研究所
-
宮本 政樹
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 生物研究部
-
坂口 孝
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 生物研究部
-
小林 孝好
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 生物研究部
-
杉崎 孝之
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 生物研究部
-
小林 孝好
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 開発研究所
-
小林 孝好
ヘキストジャパン
-
坂口 孝
ヘキストジャパン
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