9-Fluoro-11β,21-dihydroxy-16α-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione(A41 304)およびdexamethasoneのラット,マウス胎仔におよぼす影響の比較検討
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概要
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抗炎症剤であるA41 304とdexamethasoneとの催奇形作用を,ラット,マウスを用い比較した.母獣ラットの体重増加に抑制がみられたA41 304 400μg/kg投与においても,外表奇形をともなった胎仔数の増加はなかった.Dexamethasone400μg/kgでは,母獣の体重増加抑制は著明であり,胎仔では口蓋裂の発生,胎盤重量,胎仔体重および体長の抑制が認められた.胎仔骨格への影響としては,両薬物投与により,歯状突起,中足骨の化骨遅延,腰肋の増加がみられ,dexamethasone400ug/kg投与では,これに加えて,尾椎骨の化骨遅延が著明であった.妊娠マウスに両薬物を投与した時,A41 304 1,600μg/kg,dexamethasone400μg/kgで口蓋裂の多発がみられた.しかし薬物投与の影響と考えられる内臓,骨格奇形は,まったくみられなかった.出生後の発育は,ラット,マウスともA41 304投与群では,いずれも順調であったが,dexamethasone400μg/kg投与の場合には,ラットで,哺育率の低下および育成仔の発育遅延が認められた.A41 304をマウスに投与し,みられた口蓋裂の成立臨界期は,妊娠11〜15日の間にあり,主として妊娠11〜13日であった.A41 304,dexamethasoneのいずれでも,口蓋裂成立と投与量の間には正の相関がみられたが,同一投与量における発生頻度は,A41 304投与群に比し,dexamethasone投与群で高率であった.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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宮本 政樹
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 生物研究部
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宮本 政樹
ヘキスト,ジャパン株式会社医薬品研究所
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大津 優
ヘキスト,ジャパン株式会社医薬品研究所
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杉崎 孝之
ヘキスト,ジャパン株式会社医薬品研究所
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坂口 孝
ヘキスト,ジャパン株式会社医薬品研究所
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