Cefodizime sodiumのラット静脈内投与による1ヵ月間亜急性毒性試験および2週間回復試験
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概要
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THR-221の2000, 1000および500mg/kg/dayをラットに1ヵ月間連続静脈内投与した時の影響について検討した. 1. 全試験期間を通して死亡例は見られず, 発現した症状も, 2000mg/kg/day投与群の一部の例で投与後一過性の自発運動の減少が見られたにすぎなかった. 2. 摂水量の増加が各薬物投与群で観察され, 摂餌量の減少が投与開始初期に一過性に見られたが, 体重には影響は認められなかった. 3. 尿検査で, 尿沈渣中の上皮細胞の増加が, 2000mg/kg/day投与群では多くの例に, 1000, 500mg/kg/day投与群では少数例に見られた. この変化は, 回復群検査では一部の群に散見されたにすぎなかった. 4. 剖検所見では, 最終投与翌日屠殺群, 回復群とも, 盲腸の内容物貯留による拡張が各薬物投与群で見られ, 一部の例では, 盲腸漿膜面の赤色点あるいは赤色化も認められた. 5. 光学顕微鏡所見では, 腎臓の尿細管上皮細胞質内の褐色顆粒が, 各薬物投与群で用量依存的に見られた. また盲腸のうっ血あるいは出血が, 一部の例で認められた. これらの所見は, 回復群検査でも観察された. 6. 腎臓の電子顕微鏡所見では, 尿細管上皮細胞質において, 細顆粒状の高電子密度の物質を含む大小さまざまの小体および, 均質無構造の高電子密度の物質を含む小体が各薬物投与群に, myelin様構造物を持つ小体がごく少数例に観察された. これらの所見は回復群では回復傾向を示した. 7. 血液学的検査, 血液生化学検査, 眼科学的検査, 聴覚検査, 臓器重量においては, 本剤投与に起因すると考えられる異常所見は認められなかった. 8. 以上, 本試験において, THR-221に起因すると考えられる毒性症状は特に観察されず, 毒性学的無影響量は2000mg/kg/day以上と考えられる.
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1988-06-03
著者
-
矢島 隆二
ヘキストジャパン株式会社 医薬総合研究所
-
稲津 水穂
ヘキストジャパン
-
稲津 水穂
ヘキストジャパン株式会社 医薬総合研究所
-
森岡 浩
ヘキストジャパン株式会社 医薬総合研究所
-
宮本 政樹
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 生物研究部
-
坂口 孝
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 生物研究部
-
小林 孝好
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 生物研究部
-
阿部 節子
ヘキストジャパン株式会社医薬研究開発本部 生物研究部
-
阿部 節子
ヘキストジャパン株式会社 医薬総合研究所
-
小林 孝好
ヘキストジャパン株式会社 医薬研究開発本部 開発研究所
-
小林 孝好
ヘキストジャパン
-
坂口 孝
ヘキストジャパン
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