Cefpirome sulfateの局所刺激性試験

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新規に開発されたセフェム系抗生物質であるCPRの安全性試験の一環としてウサギを用いて, 皮内適用試験, 結膜嚢内適用試験, 単回筋肉内投与試験, 7日間連続筋肉内投与試験, 血管局所刺激性試験および正常ヒト血液を用いて溶血性試験を行った. 1. CPRを皮内適用した時の局所刺激性は20%の高濃度を適用した場合においても注射用蒸留水あるいはNa2_SO_4溶液を適用した場合と同等あるいはやや強い程度と考えられた. 2. CPRを結膜嚢内適用時の局所刺激性は20%の高濃度を適用した場合においても眼に対する刺激性は殆んどないものと考えられた. 3. 10%CPR溶液の単回投与による筋肉障害性は投与2日後では0.75%酢酸溶液とほぼ同程度で生理食塩液よりはやや強く, 6%酢酸溶液より明らかに弱かった. 投与7日後においては, 10%CPR溶液は0.75%酢酸溶液に比べ明らかに軽度であった. 従って, 本剤の筋肉障害性は厚生省案のグレード3に相当すると考えられた. 4. 7日間連続筋肉内投与試験では, 10%CPR溶液の筋肉障害性は最終投与2日後では生理食塩液とほぼ同程度で, 対照の5%CTT溶液, 20%CET溶液あるいは0.75%酢酸溶液より明らかに弱かった. また, 最終投与7日後においては, 生理食塩液よりはやや強いが, 5%CTT溶液, 20%CET溶液および0.75%酢酸溶液に比べて弱く, 組織学的に明らかな回復傾向が認められた. 5. 血管局所刺激性試験においては, 10%CPR溶液では血栓が投与開始5日後より肉眼的にみられ, 組織学的には血栓と器質化血栓がみられた. 20%CET溶液では, 血栓の形成は10%CPR溶液より弱かったが逆に血管周囲の変化は強かった. また, 5%CTT溶液では血栓の形成頻度および血管周囲の変化ともに10%CPR溶液に比べてその刺激性はやや強い傾向がみられた. 6. 溶血性試験では, 全血法および溶血度測定法を用いて溶血性を検討した結果, いずれの場合もCPRの溶血性は陰性であった.
日本トキシコロジー学会の論文
1990-11-30

Cefpirome sulfateの局所刺激性試験

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