Cefodizime sodiumのイヌ静脈内投与による6ヵ月間慢性毒性試験および1ヵ月間回復試験
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概要
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1 セファロスポリン系抗生物質であるTHR-221の200, 400, 800および1600mg/kg/day をビーグル犬に6ヵ月間連続静脈内投与し, 生理食塩液を投与した対照群との比較のもとにその安全性について検討を加えた. 2 THR-221の投与に起因した症状は嘔吐, 過度の飲水行動(200mg/kg/day以上の投与群), 流涎(400mg/kg/day以上の投与群), 可視粘膜の蒼白化(800および1600mg/kg/day 投与群の各1例)であった. 3 一過性あるいは持続的な体重減少(400mg/kg/day以上の投与群の少数例), 眼底検査における血管色調の褪色(800および1600mg/kg/day投与群の各1例)がみられた. 4 その他の臨床諸検査では赤血球数, 血球容積値およびヘモグロビン量の減少, 網状赤血球数の増加(800mg/kg/day投与群の3例と1600mg/kg/day投与群の2例), 白血球数の減少(800mg/kg/day投与群の1例), 血小板数の減少(400mg/kg/day投与群の1例と800mg/kg/day以上の投与群の4例), 総蛋白量・アルブミン量の軽度の増加, アルカリ性ホスファターゼ値の減少(1600mg/kg/day投与群), 尿中ナトリウム量の増加(800mg/kg/day以上の投与群)等の所見が得られた. 5 病理組織学的には肝臓および脾臓におけるヘモジデリン沈着と髄外造血の充進, 脾臓の白脾髄内類線維素物質の沈着, 骨髄の瀰漫性線維化(800mg/kg/day以上の投与群), 腎臓の近位尿細管上皮細胞質内褐色色素の沈着(200mg/kg/day以上の投与群の10例)等の他2, 3の変化がみられた. 6 電顕的には肝臓のKupffer細胞細胞質内および腎臓の近位尿細管上皮細胞質内に残渣小体が出現していた(200mg/kg/day以上の投与群). 7 以上の結果のうち電顕的な残渣小体の出現については, 毒性学的に重要な意義はないと思われる. したがって, 今回の慢性毒性試験においては雄で400mg/kg以上, 雌で200mg /kg以上の投与群で嘔吐が発現したことから毒性学的な無影響量は雄で200mg/kg, 雌で200mg/kg以下とみなされた.
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1988-06-03
著者
-
中野 茂樹
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
三浦 浩二
(株)生物科学技術研究所
-
奈良間 功
生物科学技術研究所
-
西川 洋史
株式会社生物科学技術研究所
-
中野 茂樹
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全研究所
-
佐野 正樹
株式会社生物科学技術研究所
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奈良間 功
株式会社生物科学技術研究所
-
奈良間 功
摂南大学薬学部薬物安全科学研究所
-
香田 繁
株式会社生物科学技術研究所
-
三浦 浩二
株式会社生物科学技術研究所
-
土谷 稔
株式会社生物科学技術研究所
-
土谷 稔
(株) 三菱化学安全科学研究所
-
土谷 稔
生物科学技術研
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