サルにおける5種類のズーノーシスの病原体に対する抗体分布
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概要
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わが国のR研究所で飼育・繁殖されている主としてニホンザル296頭およびフィリピンより輪入されS研究所で検疫中のカニクイザル147頭, 計443頭のサルの血清について, 5種類のズーノーシスの病原体に対する抗体調査を行った. SV40に対して, R研究所のサルは陽性率89.1%と極めて高率であったが, S研究所の輪入サルには陽性個体は全く検出されなかった. Chlamydia psittaciおよびYersinia pseudotu berculosisに対する陽性率はR研究所のサルではそれぞれ14.4%および11.6%で, これに対しS研究所のそれは9.0%および3.5%で, 両病原体に対し, R研究所のサルの陽性率が高率であった(P>0.05). Toxoplasma gondiiおよびLeptospira interrogansに対する陽性率は, 全体でそれぞれ3.6%および2.9%で, 両研究所のサルの間で差はなかった. 今回の調査で, SV40を除く4種類の病原体に対する抗体陽性率は概して低率で, また, 陽性個体でも抗体価が低く, 現時点では, これらがサルの間に蔓延してないことがわかった. しかし, SV40については, わが国のサルに広く浸淫していることが示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1991-08-15
著者
-
杉山 誠
岐阜大学農学部人獣共通感染症学講座
-
杉山 誠
The United Graduate School Of Veterinary Sciences Gifu University
-
源 宣之
岐阜大学農学部獣医学科
-
浅井 鉄夫
岐阜大学農学部獣医公衆衛生学講座
-
金城 俊夫
岐阜大学農学部獣医公衆衛生学講座
-
松林 伸子
京都大学霊長類研究所
-
奈良間 功
生物科学技術研究所
-
源 宜之
岐阜大学農学部獣医学科
-
源 宣之
岐阜大学獣医公衆衛生学講座
-
松林 伸子
京都大学霊長類研究所人類進化モデル研究センター
-
金城 俊夫
琉球大学農学部畜産学科
-
奈良間 功
摂南大学薬学部薬物安全科学研究所
-
Minamoto Nobuyuki
Laboratory Of Zoonotic Diseases Faculty Of Agriculture Gifu University
-
金城 俊夫
岐阜大学農学部獣医学科獣医公衆衛生学講座
-
金城 俊夫
琉球大
-
Kinjo Toshio
Department Of Veterinary Public Health Faculty Of Agriculture Gifu University
-
杉山 誠
岐阜大学農学部
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