神経系培養細胞における狂犬病ウイルスの増殖
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概要
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狂犬病ウイルスと神経細胞との相互作用を解明する1つのモデルとして,各種神経系培養細胞の本ウイルスに対する感受性と,感受性細胞における継代方法の異なる各種ウイルス株の増殖態度を比較検討した。その結果,動物種を問わずニューロブラストーマ由来のNA,IMR-32およびCHP-100細胞はRCEH株に高い感受性を示した。これら3系統の細胞は供試した培養細胞および脳組織継代株のいずれをも良好に増殖させた。なかでもNA細胞とRCEH株の系では,これまでに報告されていない9.0 logTCID_<50>/ml以上の高いウイルス収量が得られた。また,IMR-32細胞では培養細胞継代株は無論のこと,従来培養細胞でCPEを発現したことのない脳組織継代株でも馴化することなくCPEを示した。上記神経系培養細胞の感染に伴う細胞表面の変化を電子顕微鏡で観察したところ,ウイルス粒子の出芽様式が両継代株の間で異なり,培養細胞継代株では細胞表面全体から,脳組織継代株では局部的に密集して出芽していた。以上の成績から,神経系培養細胞は総代方法の異なるウイルス株の増殖能を同一条件下で観察でき,狂犬病ウイルスの変異,ことに神経親和性の機構を解明するための1つのモデルになり得るものと考えられた。
- 岐阜大学の論文
- 1985-12-15
著者
-
源 宣之
岐阜大学農学部獣医学科
-
平山 紀夫
農林水産省動物医薬品検査
-
金城 俊夫
岐阜大学農学部獣医公衆衛生学講座
-
源 宜之
岐阜大学農学部獣医学科
-
源 宣之
岐阜大学獣医公衆衛生学講座
-
倉田 一明
日本生物科学研究所
-
恒川 宗久
岐阜大学農学部獣医学科獣医公衆衛生学研究室
-
金城 俊夫
琉球大学農学部畜産学科
-
Minamoto Nobuyuki
Laboratory Of Zoonotic Diseases Faculty Of Agriculture Gifu University
-
金城 俊夫
岐阜大学農学部獣医学科獣医公衆衛生学講座
-
金城 俊夫
琉球大
-
Kinjo Toshio
Department Of Veterinary Public Health Faculty Of Agriculture Gifu University
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