沖縄の家畜由来細菌の薬剤耐性 : I. 豚および鶏の糞便由来大腸菌について(畜産学科)

概要

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沖縄各地に飼育されている健康な豚および鶏の糞便より大腸菌を分離し, ペニシリン(PC), ストレプトマイシン(SM), クロラムフェニコール(CM), テトラサイクリン(TC), エリスロマイシン(EM), カナマイシン(KM)など6種の抗生物質に対する感受性試験を寒天平板希釈法で実施した。得られた成績は以下の如くである。1.供試した菌株, 豚由来の175株および鶏由来の179株, 何れも使用した抗生物質の1つあるいはそれ以上に耐性を示した。2.豚由来大腸菌175株中172株(98.3%)が多剤耐性株で, うち3剤耐性株が全体の42.9%と優位を占め, 次いで4剤耐性の38.8%, 2剤耐性14.9%の順であった。3.これら耐性菌の耐性型は, PC-TC-SM-KMの4剤およびPC-TC-SMの3剤耐性型が多く, それぞれ36.0%および30.3%を示した。その他, TC-SM型が5.8%, TC-SM-KM型が4.6%得らたた。4.鶏由来179株については, 169株が多剤耐性株で, これらのうち102株, 全体の56.9%が3剤, 64株, 35.8%が2剤耐性株であった。5.鶏由来の耐性株中, 最も高頻度にみられる耐性型はPC-TC-SMの3剤耐性型で全株の54.7%を占めた。次いで, PC-TCの2剤型が35.2%であった。6.以上の成績より, 沖縄の豚, 鶏の間にも多剤耐性株が高率に分布しているといえる。
琉球大学の論文
1973-12-01