イヌ伝染性肝炎ウイルスで免疫したハムスターの同ウイルス誘発腫瘍移植に対する抵抗性(畜産学科)
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概要
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イヌ伝染性肝炎ウイルス誘発腫瘍において抗移植性免疫が成立するか否かを検討する目的で, ハムスターをあらかじめウイルスで3日おき3回免疫しておき, 初回接種後3週目に, 同ウイルス誘発ハムスター腫瘍よりin vitroで株化したHT-7細胞を移植し, 腫瘍移植に対する抑制効果の有無を観察した。得られた成績は次の通りである。1.ICHウイルス(10)^7あるいは(10)^5TCID_50を腹腔内接種し免疫した場合, 50%腫瘍発現に要するHT-7腫瘍細胞数(TPD_50)は対照の非免疫ハムスター群のそれに比して, (10)^7免疫群で約60倍, (10)^5免疫群で約10倍多く要し, ウイルス接種によって抗移植免疫が成立した。2.ウイルス免疫ルートを皮下接種に代えると, 抗移植性免疫の程度が腹腔内接種のそれに比しやゝ低下する。3.免疫原としてウイルスの代りに, ウイルス接種ハムスター胎児細胞を用いた場合, ウイルス単独接種の場合に比し, ウイルス中和抗体の産生は低いに拘わらず, 抗移植性免疫効果は同程度に高い。4.以上の成績より著者の確立したICHウイルス腫瘍の系でもウイルスに特異的な抗移植性免疫が成立し, しかもそれはウイルス粒子に対する液性抗体とは必ずしも同一のものでないことが示唆された。
- 琉球大学の論文
- 1972-12-01
著者
-
金城 俊夫
琉球大学農学部畜産学科
-
Kinjo Toshio
Department Of Veterinary Public Health Faculty Of Agriculture Gifu University
-
金城 俊夫
琉球大学農学部
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