豚丹毒菌の抗生物質に対する感受性およびペニシリン耐性株誘出の試み(畜産学科)
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概要
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慢性型豚丹毒の増加の原因を, PCその他の抗生物質の適切でない使用による耐性株の出現によるものでなかろうかと想定した。そこで各種病型より分離された計43株について6種の抗生物質に対する感受性試験を平板希釈法によりMICを求める方法で実施した。さらに人工的にPC耐性株を誘出する試みも同時に行ない以下の結果を得た。1.供試豚丹毒菌の抗生物質に対する感受性は, PCに対してはMICが0.10から0.78単位の間にあり平均0.384で高い感受性のあることが示された。EMには最も感受性高く平均MIC0.050μg以下で, TCには1.723μg, CMには7.162μg以下であった。SMに対しては感受性が低く, 平均29.817μgで他の抗生物質に比し本菌に対する抗菌作用が弱い。またKMには1例を除きすべて抵抗性であった。2.慢性型, 急性型豚丹毒から由来した菌株間あるいは抗生物質が広く使用されるようになった時点以前に分離され保存されている菌株と最近分離された菌株との間にPCに対する感受性に差は認められなった。3.20株についてそれぞれをPC2u/ml加固型および液体培地に移植, 培養し, 人工的に耐性株の作出を試みたが全く成功しなかった。4.以上の成績より, 豚丹毒菌はPCに対して感受性が高く, しかも安定した状態で保持されていることが明らかで, 従って慢性型豚丹毒が漸増している事実を耐性菌出現に因果関係を求めることはできなかった。5.EM, TC, KMに対する感受性が他の株と全く異る1株を心内膜炎型より分離したが, 今後この性質が本菌の遺伝学的研究の一つの指標として使用可能であろうと考えられる。
- 琉球大学の論文
- 1973-12-01
著者
-
金城 俊夫
琉球大学農学部畜産学科
-
町田 宗純
沖縄県家畜衛生試験場
-
Kinjo Toshio
Department Of Veterinary Public Health Faculty Of Agriculture Gifu University
-
金城 俊夫
琉球大学農学部
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