沖縄のリュウキュウジャコウネズミ (Suncus murinus riukiuanus) におけるトキソプラズマ抗体の調査(畜産学科)
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概要
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沖縄県における豚トキソプラズマ症の発生は他府県のそれより高率である。その原因究明の手がかりを得るため, 豚小屋周辺に棲息する野生小動物におけるトキソプラズマ症の浸淫状況を血清学的に調査することにした。今回は食虫目に属するリュウキュウジャコウネズミを対象に, 血球凝集反応(マイクロタイター法)によるトキソプラズマ抗体の検出を試みた。供試したリュウキュウジャコウネズミは157匹で, うち138匹は10ケ所の豚小屋より, 19匹は2ケ所の民家周辺より採取した。157匹中, 血球凝集抗体陽性例(≧1 : 512)は82匹52.2%, 疑陽性例(1 : 256)は15匹9.6%, 陰性例(≦1 : 128)は60匹38.2%で, 高率にトキソプラズマに汚染されていることが示唆された。採取場所によって抗体分布に若干のばらつきはみられたが, 有意差はなかった。また同様, 抗体分布に性や妊娠による差も認められなかった。26匹(陽性3,疑陽性2,陰性21)についてトキソプラズマの分離をマウスを用いて試みたが, 全例陰性に終った。リュウキュウジャコウネズミにおける抗体分布は上記のようにかなり高率であるが, 豚トキソプラズマ症の疫学上の役割については尚不明で, 今後の研究を必要とする。
- 琉球大学の論文
- 1978-12-01
著者
-
金城 俊夫
琉球大学農学部畜産学科
-
金城 俊夫
岐阜大学農学部獣医学科獣医公衆衛生学講座
-
宮城 直
琉球大学農学部畜産学科
-
金城 俊夫
琉球大
-
Kinjo Toshio
Department Of Veterinary Public Health Faculty Of Agriculture Gifu University
-
金城 俊夫
琉球大学農学部
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