沖縄における各種動物および人糞便由来大腸菌の薬剤耐性とRプラスミド
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概要
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飼料安全法実施前に沖繩県で収集された外見上健康な各種動物および人糞便由来大腸菌計2,563株を対象に,6種の抗菌剤(AM, SM, OTC, CP, KM, SA)に対する感受性試験と耐性菌については接合性Rプラスミドの検索を行った.使用した動物は,抗菌剤添加飼料で飼育されている豚および鶏と,一部が添加飼料の給与を受けたことのある牛,全く給与されてない馬,山羊,野生の鳩および人である.各種動物毎の被検菌株数,耐性菌の検出率および耐性菌中R+菌の検出率は,それぞれ豚367株,98.4%,35.5%;鶏384株,96.6%,36.1%;牛405株,23.0%,12.9%;山羊371株,22.4%,10.8%;馬300株,24.3%,8.2%;鳩345株,11.6%,25.0%;人391株,28.6%,21.4%であった.豚,鶏由来菌が耐性菌,R+菌の検出率共に他の動物由来菌のそれより高率で,抗菌剤添加飼料給与と耐性菌出現との因果関係が示唆された.薬剤別には家畜への使用頻度の高いOTC,SM,SAに対する耐性菌が全般的に多く,逆にCP,KM,AM耐性菌はわずかであった.但し,豚由来菌のみはKMに対する耐性菌も高率に分離された.豚,鶏由来耐性菌の場合,その大部分が多剤耐性菌(89.1%および81.3%)で,その中でも特に豚ではSM-OTC-KM(耐性菌の29.1%)とSM-OTC-KM-SA(27.2%)が,鶏ではSM-OTC-SA(47.2%)が多く検出された.R+菌の検出率は全耐性菌についてみると,それぞれ単剤耐性菌10.9%,2剤耐性菌28.1%,3剤耐性菌33.8%,4剤以上の耐性菌43.7%で,耐性菌の多剤化に並行して増加した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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金城 俊夫
琉球大学農学部畜産学科
-
金城 俊夫
岐阜大学農学部獣医学科獣医公衆衛生学講座
-
Kinjo Toshio
Department Of Veterinary Public Health Faculty Of Agriculture Gifu University
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