各種動物におけるカンピロバクターに対する抗体の分布

概要

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各種動物におけるカンピロバクターに対する抗体の分布を,Campylobacter jejuniの超音波処理抗原を用いた補体結合(CF)反応で調べた。抗体価が1:8あるいはそれ以上のものを陽性とした。ヒトでは,261人中48人が陽性で,陽性率は18.4%であった。また,養鶏場及び食鶏処理場勤務者の陽性率と一般市民のそれが,それぞれ17.3%と19.2%で,両者間に差はみられなかった。サルは256頭中90頭,35.4%が抗体陽性で,特にアカゲザルは,陽性率が61.4% (35/57)と高率であった。ドブネズミの陽性率は15.8% (54/342)で,そのうちR研究所のネズミの28.6%は名古屋市のそれの12.1%に比し有意に高率で,陽性率に地域差がみられた。その他の動物の陽性率は,ウシが19.0% (33/174)と比較的高率であったが,糞便からの該菌の分離率が高率であるニワトリ及びブタではそれぞれ5%(8/160)及びO%(0/197)と低率で,また,ハト,ウズラ及びアヒルはそれぞれ50,25及び19羽調べたが,陽性例は全く検出されなかった。
岐阜大学の論文
1989-12-25