インコのオウム病に関する病理組織学的研究

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概要

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オウム病で斃死した15羽のインコ(ワカケインコ13羽とセキセイインコ2羽)について病理組織学的検索を行った。肉眼的に,主な病変は肝臓・肺臓の腫大,肝臓の点状ないし粟粒大の多発性の灰白色壊死巣,気嚢や心外膜の混濁,肥厚などであった。組織学的に,肝臓では単核細胞,大食細胞,好中球などの浸潤を伴ったあるいは伴わない巣状壊死が播種状に観察された。肺臓では,細細内皮系細胞の腫大活性化と大食細胞の増生か顕著で,〓毛細管周囲リンパ組織のほとんどはこれらの細胞で占められ,さらに変性壊死巣を形成していた。動脈周囲リンパ組織の小型リンパ球は消失し,塩基性細胞質をもった中型のリンパ様細胞や形質細胞で占められていた。気嚢炎,心外膜炎,漿膜炎および結膜炎もほとんど常に認められる病変であった。インコ類2種のオウム病の自然感染例について詳細な病理組織学的変化を記載し,愛玩鳥オウム病に有益な知見を加え得た。肺臓や眼にみられた病変の意義についても考察した。
1985-12-15

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