Corynebacterium renaleのminimum mediumについて,ならびに無機イオン欠乏および過剰によるfilamentous growthについて
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概要
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Corynebacteriumrenaleの3つの型では,アミノ酸および発育素要求性に差異があることをさきに述べた.この報告では,各型のminimummcdiumを確立し,なおfilamcntousgrowthについて記述する.各型C.renaleのminimummcdiumの基礎培地の組成は全く同じで,1750M燐酸緩衝液pH7.4,塩化ナトリウム,塩化カリウム,硫酸アンモニウム,重炭酸ナトリウムおよびブドウ糖を含む.アミノ酸および発育素に関して以下に述べる.I型菌のminimummcdiumは,glutamicacidおよびva11ncの2種アミノ酸に,biotin,panto-thenicacid,thiamineおよびinositolの4種発育素を含む.II型菌のそれは,glutamicacidにb10tin,nicotinicacidおよびP-aminobcnzoicacidを必要とする.III型菌のminimummcdiumは,glutamicacid,va11ne,cystinc,isoleucineおよびmcthionineの5種アミノ酸のほかに,pyridoxinc,thiamine,biotin,nicotinicacidおよびglucosamincを含み,IおよびII型に比較して,より複雑な成分を必要とした.minimummediumに発育した3つの型の菌は,集落の大きさおよび形態は,普通寒天に発育した集落のそれと変わりなく,また抗原性にも変化がなかった.上記の実験中に,無機イオンの欠乏および過剰による本菌のfilamcntousgrowthが観察された.FC++は3つの型の菌に共通に,必須的に要求される.IIおよびII工型菌は,FC++低濃度では,通常の菌形の4~5倍の長さを持つfilamcntousformを示し,FC++高濃度では,球菌状になった.Mn++,Mg+1およびCu+1も,最適濃度範囲外の濃度では, filamentousformをもたらすが,特にIIおよびIII型に著明であった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1969-06-25
著者
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平井 克哉
岐阜大学農学部獣医学科家畜微生物講座
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梁川 良
北海道大学獣医学部家畜衛生学講座および家畜生化学講座
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島倉 省吾
岐阜大学農学部獣医学科家畜微生物学研究室
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平井 克哉
岐阜大学農学部
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平井 克哉
岐阜大学農学部家畜微生物学講座
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島倉 省吾
岐阜大学農学部獣医学科
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梁川 良
北海道大学獣医学部家畜衛生学講座
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