長野県におけるバルク乳中のリステリア属菌汚染調査

概要

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1990年12月から1991年4月の間, 長野県内の酪農家の約60%に当たる計943農場のバルク乳を用い, リステリア属菌の分離を試みたところ, 29検体(3.1%)が陽性であった.分離されたリステリア属菌の地域別分離状況は, 長野県の南部が6.1%(22/362), 中部が1.5%(4/272), 東部が1.4%(2/143)および北部が0.6%(1/166)であった.Listeria monocytogenesは, 南部の3農場のバルク乳からのみ分離(0.3%)され, その血清型は異なる2農場から分離された2株が4bで, 1株が1/2aであった.さらに, 1991年2月から1992年1月までの間, バルク乳504検体をリステリア属菌分離率の高い南部の56農場から9回集め, リステリア属菌分離率の季節的変動を知るために調査した.その分離率は, 春期(14.3%)のほうが秋期(4.8%)より高かった.56農場はリステリア属菌の汚染程度によって高頻度汚染(50%≦), 低頻度汚染および非汚染農場の3グループに分類できた.4農場から血清型4bのListeria monocytogenes16株を分離した.
社団法人日本獣医学会の論文
1998-03-25