実験的尿閉山羊における尿毒症性変化に関する研究
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概要
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牛尿石症による尿閉後の病態を把握するため, 実験的に尿道を閉塞させた4頭の雄山羊について, 臨床的, 臨床病理学的および病理学的観察を行った. 血中尿素窒素と血清クレアチニンは尿閉直後から一定の比率で増加し(前者は平均29.1mg/dl/day, 後者は1.6mg/dl/day), これは尿毒症の進行を示す良い指針であった. 血清中のナトリウムとクロールは尿毒症の進行とともに漸減し, ブドウ糖とカリウムは実験の後半になって著明に上昇した. また, 膀胱破裂によって脱水が起こった. 8日から13日までの間に死期を迎え, 瀕死期には, 呼吸や心拍動の異常および激しい神経症状がみられた. 剖検の結果, 泌尿器系の内圧昂進による病変と, 皮下, 筋肉など全身組織の出血, 水腫がみられた. さらに, 3頭の雄山羊を用い, 尿道切開手術の効果についても検討した. これらの山羊については実験的尿閉から3ないし4日後に尿閉を解除した. その結果, それらの尿毒症性変化は排尿を再開してから4日以内に消失し, 山羊は正常に復した.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1990-02-15
著者
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