イヌにおける開腹時間延長の影響 : I胃・十二指腸運動について

概要

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開腹したイヌの胃と十二指腸に筋電図導出用電極と収縮曲線導出用歪ゲージを縫着し,縫着時間を含めて40分間(40分群)または120分間(120分群)室温(25℃)に曝露した後閉腹した。術後,全例の筋電図に空腹期のinterdigestive mvoelectric complex (IMC)が観察されたのは,40分群では3日であったが,120分群では4日であった。また,120分群ではIMC出現周期に延長が認められた。120分群では40分群に比べ,術後の食後期に5日まで胃のspike ootential bursts (SP)の持続時間の短縮,1日と2日の十二指腸のSPを伴うbasic electric rvthm (BER)の発生頻度の減少があり,食後期における運動抑制は120分群で明らかになった。また,40分群の胃では食後期におけるSPを伴うBER発生頻度が空腹期より増加していたが,120分群では術後2日に差がみられなくなった。これらの結果は,120分群では40分群に比べ胃内容の排出が遅延し,食後期の持続時間が延長していることを示している。以上の観察結果より,開腹による手術侵襲より胃と十二指腸の消化管運動が回復するのは,40分群では術後5日,120分群では7日あるいはそれ以後と考えられた。
岐阜大学の論文
1987-12-25