Vero細胞における犬ジステンパーウイルスの増殖におよぼすマイコプラズマの影響
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概要
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犬ジステンパーウイルス(CDV)の感染価の測定に使用しているVero細胞に, マイコプラズマの汚染が認められたので, CDVの増殖におよぼすマイコプラズマの影響について検討した. 4株のVero細胞のうち2株より, Mycoplasma oraleが分離された. このM. oraleは, マイコプラズマ・フリーのVero細胞でCPEを示さず, よく増殖した. CDVを低MOIで感染させると, ウイルス接種後72〜120時間にかけて, マイコプラズマ感染細胞でのウイルスの産生は減少し(1 log), 高MOIの場合は, ウイルスの増殖が約24時間おくれるのが認められた. 一方, マイコプラズマ・フリーの細胞と, M. oraleを感染させた細胞で, CDVの感染価を測定したが, 有意差は得られなかった. 以上の成績から, CDVの増殖に対するM. oraleの影響は, あまり強くないものと思われた. 培養液に加えたアルギニンの濃度(0.1mMおよび0.5mM)にかかわらず, マイコプラズマ感染細胞でのウイルスの産生は減少した. M. oraleを感染させた細胞に, M. oraleの抗血清を添加すると, CDVの増殖はマイコプラズマ・フリーの細胞の場合と, ほぼ同程度であった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1981-10-25
著者
-
平山 紀夫
農林水産省動物医薬品検査
-
源 宜之
岐阜大学農学部獣医学科
-
倉田 一明
日本生物科学研究所
-
源 宣之
農林水産省動物医薬品検査所
-
倉田 一明
農林水産省動物医薬品検査所
-
Minamoto Nobuyuki
Laboratory Of Zoonotic Diseases Faculty Of Agriculture Gifu University
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