Propiverine hydrochloride生殖試験(第2報) : ラット経口投与による器官形成期投与試験

概要

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P-4の2, 10, および50mg/kg/dayをS1c : SDラット(SPF)の胎仔器官形成期に強制経口投与し, 母体, 胎仔および出生仔に及ぼす影響について検討した結果を次の如く要約した. P-4の母体に及ぼす影響としては, 50mg/kg投与群で瞳孔散大, 一過性の流涎, 呼吸ラッセル音が観察されたほか, 体重の一過性の減少とその後の増加抑制, 摂餌量の減少および摂水量の増加が認められ, 10mg/kg投与群においても極く一部の例に呼吸ラッセル音が聴取され, 体重の極く軽度の増加抑制と摂餌量の軽度の減少が認められた. 胎仔に及ぼす影響としては, 胎仔体重が50mg/kg投与群で極く軽度に低下した. しかし, 死胚率および外形・内臓・骨格異常は増加しなかった. 出生仔の生存率, 体重推移, 成長分化, 感覚機能, 学習能および繁殖能等にP-4投与の影響は認められなかった. 以上の結果から, 本実験条件下におけるP-4の無影響量は, 母体に対しては2 mg/kg/day, 胎仔に対しては10mg/kg/day, 出生仔に対しては50mg/kg/dayと考えられた.
日本トキシコロジー学会の論文
1989-10-31