6-Amidino-2-naphthyl 4-[(4,5-dihydro-1H-imidazol-2-yl) amino] benzoate dimethanesulfonate (FUT-187)の生殖・発生毒性試験(第1報) : ラット経口投与による妊娠前および妊娠初期投与試験

概要

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FUT-187の20, 120および720mg/kgをSprague-Dawley系ラットの雄には同居前63日間およびその後の同居期間を含めて28日間の計91日間, 雌には同居前14日間, 同居期間および妊娠7日まで経口投与し, 雌雄ラットの生殖能力および胎児の発生に及ぼす影響について検討した。雄については, 720mg/kg群でFUT-l87の投与に起因すると考えられる死亡が1例認められた。また, 20mg/kg以上の各群で投与期間を通して投与直後に一過性の流涎が, 120mg/kg以上の各群で膵臓重量の増加が, 720mg/kg群で体重の増加抑制, 摂餌量の低下, 副腎重量の増加, カーカス重量の減少がみられた。雌については, 20mg/kg以上の各群で投与期間を通して投与直後に一過性の流涎が, 120mg/kg以上の各群で膵臓重量の増加が, 720mg/kg群で体重の軽度な増加抑制, 摂餌量の低下, カーカス重量の減少がみられた。発情回数, 交尾率, 授精率および受胎率にっいては, 対照群と投与各群との間に差はみられず, 雌雄の生殖能力にFUT-187投与の影響は認められなかった。妊娠末期の観察において, 720mg/kg群で黄体数, 着床数および生存胎児数の減少がみられた。しかし非着床率, 死胚率およびその死亡時期, 性比および生存胎児の体重, 胎盤重量, 骨化程度にFUT-187投与の影響はみられなかった。また, 外形, 内部器官, 骨格にもFUT-187投与に起因する異常はみられなかった。以上のように, 本試験条件下におけるFUT-187の無影響量は雌雄ラットに対しては20mg/kg未満(一般毒性学的影響), 720mg/kg (生殖に及ぼす影響), 胎児の発生に対しては120mg/kgと結論される。
日本トキシコロジー学会の論文
1992-12-26

6-Amidino-2-naphthyl 4-[(4,5-dihydro-1H-imidazol-2-yl) amino] benzoate dimethanesulfonate (FUT-187)の生殖・発生毒性試験(第1報) : ラット経口投与による妊娠前および妊娠初期投与試験

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