6-Amidino-2-naphthyl 4-[(4,5-dihydro-1H-imidazol-2-yl) amino] benezoate dimethanesulfonate (FUT-187)のイヌ経口投与による13週間反復投与毒性試験および5週間回復試験

概要

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FUT-187の経口投与による13週間反復投与毒性試験および5週間回復試験を雌雄ビーグル犬を用いて実施した。用量は, 0, 15, 50および150mg/kgとし, 150mg/kg群のみ午前. 午後の分割投与を行なった。1. 投与後の一般状態の変化は, 嘔吐, 下痢, 流涎, 自発運動量の減少, 鎮静および眼粘膜の充血等であり, 50mg/kg以上の投与群で明らかであった。これらの変化は, 嘔吐を除き投与後ほぼ2時間以内には消失した。死亡は, 150mg/kg投与群の雄1例で投与19日に発現した他, 同群の雌2例を投与55日および67日に全身状態の悪化により切迫屠殺に供した。2. 体重では, 雄の15Omg/kg投与群および雌の5Omg/kg以上の投与群で増加抑制がみられた。3. 血液学的検査では, 50mg/kg以上の投与群の一部の動物にあるいは消化管の炎症をうかがわせる検査値の異常がみられた。4. 血情生化学的検査においては, 50mg/kg以上の投与群でアルブミン, 総蛋白, A/G比, 総コレステロール等の減少, GPT活性の増加がみられた。また肝機能試験では150mg/kg投与群の一部の動物の一部に機能低下がみられたが, いずれも休薬により回復がみられた。5. 剖検では, 死亡例, 切迫屠殺例および50mg/kg群以上の生存例に, 消化管における潰瘍あるいは粘膜剥離等がみられた。また, 切迫屠殺例では黄色肝および1例で腸重積が認められた。6. FUT-187の血液中濃度測定においては, 各検査時とも初回投与後に比し37および83回投与後で, 未変化および代謝物濃度の上昇がみられた。7. 病理組織学的検査においては, 50mg/kg以上の投与群で消化管における潰瘍形成, 粘膜の剥離・変性・萎縮がみられた。死亡例および切迫屠殺例では肝細胞に脂肪沈着が認められた。以上のことから, FUT-187投与による主な毒性学的所見は, 本剤の苦味または粘膜刺激に起因する流涎, 消化管障害, 嘔吐, 下痢, 貧血傾向, 肝機能低下による諸変化であった。また, 本試験における無影響量は15mg/kg, 確実中毒量は50mg/kgと推察された。
日本トキシコロジー学会の論文
1992-12-26

6-Amidino-2-naphthyl 4-[(4,5-dihydro-1H-imidazol-2-yl) amino] benezoate dimethanesulfonate (FUT-187)のイヌ経口投与による13週間反復投与毒性試験および5週間回復試験

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