新規抗悪性腫瘍薬S-1の抗原性試験
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概要
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S-1の安全性試験の一環として,S-1,CDHPおよびOxoのマウスおよびモルモットにおける抗原性の有無を検討した。1. BALB/cおよびC3H/Heマウスに, S-1を1.5または7.5 mg/kg/dayの用量で臨床経路である経口投与により感作した。また, CDHPおよびOxoをそれぞれ3.13 mg/kg/dayの用量でアジュバント(Alum)とともに腹腔内投与して感作した。SDラットを用いた異種受動的皮膚アナフィラキシー(PCA)反応試験を行った結果,S-1,CDHPまたは0xoに抗体産生能は認められなかった。2. Hartleyモルモットに,S-1を7.5 mg/kg/dayの用量で臨床経路である経口投与により感作した。また,CDHPおよびOxoをそれぞれ62.5 mg/kg/dayの用量でアジュバント(FCA)とともに皮下投与して感作した。同種PCA反応試験,能動的全身性アナフィラキシー反応試験,間接赤血球凝集反応試験を行った結果,S-1,CDHPまたはOxoに抗体産生能は認められなかった。3. HartleyモルモットにS-1を0.75または3.75 mg/kg/dayの用量でFCAと共に皮下投与して感作し,能動的皮膚アナフィラキシー反応試験を行ったが,S-1には細胞性免疫による遅延型皮膚反応の誘導能は認められなかった。以上の結果から,今回の条件下ではマウス,モルモットにおいてS-1,CDHPおよびOxoに対する抗原性は認められなかった。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1996-11-27
著者
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前田 泰宏
大鵬薬品工業株式会社製薬センター安全性研究所
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河内 泰英
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全性研究所
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森永 秀信
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全研究所
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池渕 一也
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全性研究所
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泉 勝彦
大鵬薬品工業株式会社製薬センター安全性研究所
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森永 秀信
大鵬薬品工業株式会社製薬センター安全性研究所
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池渕 一也
大鵬薬品工業株式会社製薬センター安全性研究所
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前田 泰宏
大鵬薬品工業(株) 製薬センター
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河内 泰英
大鵬薬品工業株式会社製薬センター安全性研究所
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