タイ国産米の炊飯特性と加圧炊飯による食味改良効果

概要

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タイ米の炊飯特性およびタイ米の食味向上に対する加圧炊飯の効果を検討し以下の結果を得た。1) タイ米は日本産米のチヨニシキに比べて見かけのアミロース含量が26.8%と高く, また浸水時の吸水率が低く, 砕け度が高かった。2) 普通炊飯のタイ米の硬さは, 炊飯時の加水量の増加によりチヨニシキと同程度にまで軟化出来るが, 粘りはチヨニシキの約50%にしかならなかった。3) タイ米を加圧炊飯すると硬さはチヨニシキと同程度になり, 粘りはチヨニシキの約70%に増加した。4) 走査型電子顕微鏡による米飯の微細構造の観察より, 普通炊飯のタイ米はチヨニシキに比べ表面に網目状構造が少なく, 断面のスポンジ状構造は未発達なことが認められた。また加圧炊飯を行うことにより, タイ米の微細構造がチヨニシキの構造に近づいていることが認められた。5) 官能検査の結果, 加圧炊飯を行ったタイ米は普通炊飯のタイ米に比べ硬さ, 粘りのテクスチャーおよび総合評価で好まれ, 加圧炊飯による食味向上効果が認められた。
日本調理科学会の論文
1995-08-20