米飯の食味評価法の検討 : 官能検査と理化学的測定結果に対する重回帰分析の応用

概要

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31種類の米の詳細な官能検査および理化学的測定を行い、米の総合的なおいしさと物性値の関係を検討した。1. 甘味は、分析型、嗜好型検査ともに総合的な食味との相関が0.88、0.92と高いが、試料間の差が小さかった。2. 味は、味の好ましさと総合的な食味との間に0.95と高い相関が見られたものの、味の強弱と総合的な食味の相関が0.23と低く、かつ分析型と嗜好型検索の相関が低かった。3. 重回帰分析を行った結果、総合的な好ましさは、粘りの好ましさ、甘味の好ましさ、白さ、透明感の4項目で表わされ、重相関係数は0.97と高い値であった。4. 総合的な好ましさに高い寄与を示す粘りの好ましさ、透明感、白さを理化学的測定値に置き換えた。粘りの好ましさはアミロース、精米の千粒重および整粒率で、透明感はL値と入射角60°、70°の光沢度で、白さは白度とb値、で表わすことができ、重相関係数は0.87、0.66、0.71であった。5. 米飯の総合的な好ましさは、アミロース比、L値、光沢度(60°)の3項目で表わすことができ、重相関係数は0.76であった。
日本調理科学会の論文
1996-11-20