熱帯・亜熱帯性資源植物の収集・保存に関する研究 (II) : 西表島の森林資源について(農学部付属熱帯農学研究施設)

概要

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本研究は, 西表島の森林植物の分布および資源量について明らかにしたものである。その結果を要約するとつぎのとおりである。1.西表島の森林は, 熱帯林と亜熱帯林とに大別される。さらに熱帯林はマングローブ林, 海岸乾性林, 熱帯広葉樹林にわけられる。低平地および河川の流域は, 熱帯林でおおわれ, 丘陵地および山の中腹以上は亜熱帯林を構成している。2.森林調査における出現樹種は91種であった。樹種別の本数率は, イタジイ13%, タブノキ6%, リュウキュウマツ6%, エゴノキ5%, シャリンバイ3%で, これらの5種で全体の33%を占め, 残りの67%は他の86種で占められている。樹種別の材積率は, イタジイ25%, リュウキュウマツ10%, タブノキ6%, オキナワウラジロガシ5%, エゴノキ4%で, これらの5種で全体の50%を占め, 残りの50%は他の86種で占められている。用途別の本数率は, 構造材36%, 工芸材5%, 染料材5%, そして器具材4%であった。材積率は構造材, 工芸材, 染料材および器具材は, それぞれ58%, 4%, 3%および2%であった。3.森林調査の推定誤差率は, 平均胸高直径4.6%, 平均樹高3.4%, ha当り本数9.8%, ha当り胸高断面積7.2%, ha当り材積9.1%であった。ha当りの本数および材積は, それぞれ3,728±365,114.6±10.4m^3であった。平均胸高直径および平均樹高は, それぞれ8.7±0.4cm, 5.8±0.2mであった。このように, 樹種構成の多様性, 複層的構成および標高位置における植生の変化などが西表島における森林資源の特徴である。
1989-12-05

熱帯・亜熱帯性資源植物の収集・保存に関する研究 (II) : 西表島の森林資源について(農学部付属熱帯農学研究施設)

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