西表島の農耕地雑草と帰化植物の分布ならびに発生の様相(附属農場)

概要

論文の詳細を見る
西表島東部と西部の雑草の実態を把握するために農耕地雑草,及び帰化植物の種類,発生量及び分布を調べた。1.耕地雑草では,サトウキビ畑雑草27科131種,パイナップル畑雑草20科46種,サトウキビ畑・パイナップル畑共通雑草22科59種,水田雑草25科69種が確認できた。2.帰化植物は17科78種,全草種では56科305種が確認できた。3.雑草分布調査では,サトウキビ畑で出現した種数は174種であり,45.7%が帰化植物であった。パイナップル畑においては44種のうち,22.7%,水田においては63種のうち,12.6%が帰化植物であった。4.作物畑別に雑草の分布を見ると,サトウキビ畑ではマメ科,イネ科,キク科が多く,パイナップル畑ではイネ科,キク科,水田ではカヤツリグサ科,イネ科が多かった。5.サトウキビ畑の生活型組成は,TH-R_5-D_4-e,パイナップル畑においてはH-R_5-D_1-e,水田においては,HH-R_5-D_1-tが最も多かった。6.地域的には雑草の組成にあまり差はみられなかったが,概して大原,豊原地域にはタツノツメガヤ,ハリビューが多かった。7.比較的新しい帰化植物で,現に盛んに繁殖しているもの,または将来繁殖地が著しく拡大するおそれのある雑草はタチスズメノヒエとタチアワユキセンダングサである。
1992-12-01