琉球列島のサトウキビ畑における雑草の整理・生態 : 第9報遮光がツノアイアシとテリミノイヌホウズキの生育と種子生産に及ぼす影響

概要

論文の詳細を見る
前報において、サトウキビ畑に出現する一年生雑草のうち、サトウキビの生育に及ぼす影響がもっとも大きいと推定される大型のツノアイアシとテリミノイヌホウズキの2車種について、サトウキビとの養分競合の面から窒素施肥量の差異に対する生育反応を検討した結果、両車種ともに高い窒素レベルほど生長量が増大する傾向があるが窒素施肥量が極端に多くなると抑制されること、また播種後90日ごろに生長量が最大になることを明らかにした。本報では、引続き両車種とサトウキビとの光競合関係を検討するため、 0、 22、 37、 65、 94%遮光度で実験を行い、これに対する生育と種子生産の変化を調査した。1.ツノアイアシの草丈は22〜37%遮光で増加し、94%遮光では著しく抑制されることが認められた。一方、テリミノイヌホウズキの主茎長は37〜65%遮光で増加する傾向を示したが、94%遮光では同様た著しく抑制されることが認められた。遮光処理の影響は主茎長よりも草丈において大きかった(Fig.1)。2.ツノアイアシの分けつ数とテリミノイヌホウズキの分枝数はいずれも強遮光条件ほど減少し、94%遮光では抑制はもっとも顕著となり、分けっは全く生じなかった。また分枝もほとんどみられなかった(Fig.2)。3.葉面積はツノアイアシ、テリミノイヌホウズキのいずれも強遮光条件ほど減少することが認められた。遮光処理による抑制の程度はテリミノイヌホウズキよりツノアイアシが大きかった(Fig.3)。4.全乾物重はツノアイアシ、テリミノイヌホウズキのいずれも強遮光条件ほど減少する傾向を示し、94%遮光ではツノアイアシで対照区の1.4%以下、テリミノイヌホウズキで2.1%以下に抑制された。穂重と果実重では特に37%遮光で急激な減少が認められた(Fig.4)。5.ツノアイアシの出穂とテリミノイヌホウズキの開花はいずれも強遮光条件ほど遅延した。遮光処理による抑制の程度はツノアイアシよりテリミノイヌホウズキが大きかった。ツノアイアシの穂数、穂長、1穂重、テリミノイヌホウズキの果実数、1果重はすべて強遮光条件で減少し、94%遮光になると果実の形成は全くみられなかった(Table 1)。6.以上の結果から、両車種の防除に必要な遮光量は94%以上であることが推定された。
日本雑草学会の論文
1988-08-29

琉球列島のサトウキビ畑における雑草の整理・生態 : 第9報遮光がツノアイアシとテリミノイヌホウズキの生育と種子生産に及ぼす影響

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク

琉球列島のサトウキビ畑における雑草の整理・生態 : 第9報 遮光がツノアイアシとテリミノイヌホウズキの生育と種子生産に及ぼす影響

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク

琉球列島のサトウキビ畑における雑草の整理・生態 : 第9報遮光がツノアイアシとテリミノイヌホウズキの生育と種子生産に及ぼす影響