沖縄島におけるハイキビの生育特性

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多年生雑草ハイキビは繁殖力旺盛な地下茎を持ち, 熱帯・亜熱帯地域の農耕地および非農耕地において強害雑草となっている。本研究では, ハイキビの生態に関するシミュレーションモデルを作成し, 効果的な防除法確立の基礎資料を得るために, ハイキビ繁茂の主因と考えられる地下茎の発達過程を中心に生育特性について調べた。調査は, 1 節苗に調整したハイキビ地下茎を沖縄の代表的な耕地土壌であるシマジリマージの圃場(PH5.25〜6.74, 土壌硬度3〜4kg/cm^2)に植付(1区9m^2), 植付後30日目から20日毎に9回の掘取調査を行い, 地上部および地下部の各種生育量の経時変化や性状について調べた。地上部の伸長は, 植付後30〜50日の間は生育初期のため緩慢に推移したが, 植付後50〜70日にかけて急激に伸長した(Fig.1)。その後, 伸長は横ばいとなり, 植付後90日には開花が見られるようになった。地下茎の形成は植付後50日頃から始まり, 110日まで活発に形成され, その後は緩やかとなった(Fig. 4)。地下茎の伸長は, 全測定期間にわたって見られ, 特に値付後50〜70日の間は急激であった(Fig. 5)。また, 地下茎における1次分岐茎の形成は, 値付後70日目から見られ, 2次分岐茎は値付後130日目から見られるようになった。1次分岐茎は, 地下茎(主茎)の成熟によって形成され, 2次分岐茎は, 1次分岐茎の成熟によって形成されると思われた(Fig. 6)。発達した地下茎は, 根とからみ合ってルースマット状となり, 1年後には, 分布は地下50cm, 地下茎乾重は 750g/m^2, 地下部節数 2,515節/m^2, 球茎数182個/m^2が観察された(Fig. 12, Table 3)。ハイキビの生物生産量から総合的に判断し, 生育ステージを3段階に分けることができた。すなわち植付から70日までを低生長期, 70〜110日間を中生長期, 110日以降を高生長期とした。
日本雑草学会の論文
1997-01-31

沖縄島におけるハイキビの生育特性

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