野生稲Oryza rufipogonに由来する早生遺伝子Ef_r(t)の同定および連鎖分析

概要

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野生稲Oryza rufipogonの1系統K61を一回母本にし, 台中65号を反復父本にして育成されたRT61Cは台中65号より出穂が約14日早く, 早生遺伝子の存在が確認された.RT61Cは稔性回復遺伝子Rf_1^1を第10染色体に保有しており, 同遺伝子と早生遺伝子の間の連鎖分析を行った結果, 16.9%の組換え価が得られた.Rf_1^1遺伝子と連鎖する遺伝子として, 他の早生遺伝子Ef_1が知られている.Rf_1^1とEf_1の遺伝的距離は間接的な計算で15.7%であり, 本実験で求めた組換え価はこの値に近いことから本実験の早生遺伝子はEf_1と同座である可能性があった.しかしEf_1は完全優性であるのに対して本実験の早生遺伝子は不完全優性であり, また出穂促進の程度もお互いの間で異なることから両者は作用の異なる遺伝子であり, 本実験の遺伝子を仮にEf_r(t)と命名した.次に, 早生化が葉身長, 葉鞘長, 穂数および1穂粒数に与える影響について調べた結果, 葉身長, 葉鞘長および穂数では差がなかった.しかし, 1穂粒数はRT61Cで132.3, 台中65号で114.5であり, 差があった.
日本熱帯農業学会の論文
2005-09-01