琉球列島のサトウキビ畑における優占雑草タチスズメノヒエ, タチアワユキセンダングサ,ウシハコペのアレロパシー作用

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琉球列島のサトウキビ畑雑草群落における優占種、イネ科多年生草タチスズメノヒエ、キク科多年生草タチアワユキセンダングサ、ナデシコ科越年生草ウシハコベの3種が、これらの雑草種および数種の作物に対してアレロパシー活性を有するかどうかを検定した。作物としてはインゲン、カボチャ、トマト、キュウリ、ダイコンの5種を用いた。実験は供与植物ポットよりの濠出液を受容植物のポットに供給する方式で行った。供与、受容植物ともに砂耕法により栽培した。タチアワユキセンダングサについては枯死植物体の抽出液を作物および同種に供与する実験を行うとともに、各部位の水抽出液が作物種子の発芽に及ぼす影響についても調べた。雑草の演出液はインゲンの草丈、地上部乾物重および葉数を有意に抑制した(Fig.1、 Table 1、 Table 3)。タチスズメノヒエおよびタチアワユキセンダングサの演出液はカボチャの地下部乾物重を有意に減少させたが、ウシハコベの演出液による減少には有意差は認められなかった(Table 2)。タチアワユキセンダングサの生植物体および枯死体の演出液は全作物の草丈を抑制し(Fig.2)、ダイコンでは地上部乾物重、トマトでは地下部乾物重をそれぞれ有意に減少させた(Table 4)。葉数に対する影響は概して小さく、カボチャでは枯死体の演出液により葉数が逆に増加した(Table 4)。雑草の鰺出液が雑草の生育におよぼす影響については、草丈はタチスズメノヒエで最も強く抑制され、タチアワユキセンダングサでは影響は小さかった(Fig.1)。地上部、地下部乾物重はいずれもタチスズメノヒエで有意に減少した(Table 1、 Table 2)。タチアワユキセンダングサの生植物体および枯死体の演出液は同種の草丈を抑制し(Fig.2)、地上部乾物重および葉数を有意に減少させた(Table 4)。タチアワニキセンダングサの地上部、地下部および種子の抽出液の作物の発芽に対する影響をみたところ、ダイコンおよびトマトでは地上部、地下部の抽出液による抑制が著しく、種子の抽出液は逆に促進する傾向を示した(Table 5)。上述の結果よりタチスズメノヒエ、タチアワユキセンダングサおよびウシハコベの3種には作物および同種または異種の雑草の生育を阻害する或る種の物質が存在することが推測され、これらの雑草のサトウキビ畑雑草群落での優占化にアレロパシー現象が関与していることが示唆された。
日本雑草学会の論文
1987-12-18

琉球列島のサトウキビ畑における優占雑草タチスズメノヒエ, タチアワユキセンダングサ,ウシハコペのアレロパシー作用

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