水分ストレスがストレス解除後のサトウキビの乾物生産特性に及ぼす影響(農学部附属農場)

概要

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サトウキビ品種NCo310を用い, 土壌水分欠乏が給水制限解除後の乾物生産特性に及ぼす影響を調査した。植付け後77日目のサトウキビをpF2.5,3.5,3.8,4.2の土壌水分下で2週間にわたって育て, その後土壌水分をpF2.5に維持したときの生育の様相を22日間にわたって追跡調査した。得られた結果の概要は以下の通りである。1)pF4.2区では生育の回復は殆ど認められなかった(図1,2,3,4)。2)pF3.8区とpF3.5区では水分処理解除後に茎重や葉重について顕著な回復を示し(図3), 特にpF3.8区では最上位完全展開葉々位の増加や青葉数などの葉身形質に回復現象がみられた(図2)。3)土壌水分処理解除後, 相対生長率(RGR)はpF3.8区で高かった。また, pF3.8区の高いRGRは高い純同化率(NAR)によっていることが推察された(表1)。4)土壌水分処理解除後のRGRの回復は, 同化器官の量(LWR)よりもNARの増加によっていることが明らかになった。更に, その時のRGRやNARは梢頭部の含水率と高い負の相関を示した(表2)。
琉球大学の論文
1988-12-05