栽植密度及び土壌型が夏植え一次株出しサトウキビの生産特性に及ぼす影響(農学科)

概要

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栽植密度が,夏植え一次株出しサトウキビの生産に及ぼす影響を2種類の土壌条件下で乾物生産の面から調査した。供試したサトウキビ品種はNCo310,栽植密度は株間40cm×畦間135cm(標準区),同20cm×135cm(密植区)の2種類,土壌は泥灰岩土壌とサンゴ石灰岩土壌である。得られた結果の概要は以下の通りである。1)2月の収量調査では,泥灰岩土壌畑標準区で8.1ton/10a,Brix17.0度,同密植区で7.6ton/10a,16.7度,サンゴ石灰岩土壌密植区で6.2ton/10a,16.8度と,原料茎収量に密植の効果は認められなかった。2)単位土地面積当り総重あるいは茎重は,泥灰岩土壌畑においては2種類の栽植区で2月の最終調査日まで増大し続けた。しかし,サンゴ石灰岩土壌畑において総重は12月から2月にかけて減少,茎重は定常値に達した(図1)。3)単位土地面積当りの茎数は12月に密植区で12.5∿13.6本/m^2と多くなるものの収穫期及び生育の前期では殆ど差がなかった(表1)。4)個体群生長速度(CGR)は,6∿10月という夏季に泥灰岩土壌標準区で18∿17g/m^2/dayを示し,サンゴ石灰岩土壌密植区で8∿10月のCGRが同様になるものの,密植区のCGRは小さかった(図3)。5)葉面積指数(LAI)は,何れの区においても2.5を越すことがなく,LAIに密植の効果が現れなかった(図3)。6)CGRは純同化率(NAR)と有為な正の相関(r=0.914)をしめし,LAIとは無相関であった。7)8月下旬での群落吸光係数はLAIが-1.3∿-3.1の範囲でLAIの増大にともない負の大きい値となった(図7)。8)乾物の器官への分配率は,6月から2月の調査期間を通し,茎への分配が60∿80%と常に高い値を示した(図4)。
琉球大学の論文
1987-12-05

栽植密度及び土壌型が夏植え一次株出しサトウキビの生産特性に及ぼす影響(農学科)

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