複層林に関する研究 : 1. 上層の林分構造と下層木の成長について(演習林)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
上層リュウキュウマツ・他広葉樹, 下層木イスノキ, イヌマキの複層林について実態調査を行い, 上層の林分構造及び下層木の成長の特性を明確にした。1) 上層木のha当たり立木本数は相対幹距約19%で管理されているが, これは, 沖縄県の複層林施業指針の基準に比べるとやや多い本数である。2) 広葉樹の混交割合は林分よって8∿89%の範囲を示し(平均46%), 若い林分ほどその割合は増加する傾向にある。また, 広葉樹の樹種構成をみると, 33種の樹種が出現するが, その内イタジイ, イジュ及びタブノキは目立っており, これら3樹種で全本数の57%を占めている。3) 広葉樹はリュウキュウマツよりも低い階層を形成し, リュウキュウマツのおよそ90%の高さで安定する。また, 相対樹高でみると, 広葉樹は40∿80%に集中的に分布し, 林内の光環境に大きく影響しているものと思われる。相対樹高を高い順に並べた順位曲線は, ゆるやかなS字曲線となり, 対称型及び非対称型のいずれの曲線式もよく適合している。4) 開空率は14∿58%の値をとり(平均30%), ha当たり立木本数及び相対幹距とかなり高い相関を示している。5) 下層木の樹高の平均成長量は, イスノキ6.9∿28.7cm, 平均20.1cm, イヌマキ10.3∿13.6cm, 平均11.6cmで, イスノキの方が優れている。植栽本数の減少率は平均してイスノキ22%, イヌマキ50%で, その主因は活着不良, 被圧, 下刈の際の切断, イノシシによる被害などであるが, イヌマキの場合は, これらに加えてキオビエダシャクの被害も無視できない。
- 琉球大学の論文
- 1995-12-01
著者
-
新里 孝和
琉球大学農学部付属演習林
-
平田 永二
琉球大学農学部附属演習林
-
山盛 直
琉球大学農学部附属演習林
-
安里 練雄
琉球大学農学部生物生産学科
-
新里 孝和
琉球大・農・附属演習林
-
山盛 直
琉球大学
-
仲地 本吉
沖縄県農林水産部みどり推進課
-
安里 練雄
琉球大学農学部
-
平田 永二
琉球大学農学部付属演習林
-
新里 孝和
琉球大学農学部
関連論文
- 亜熱帯沖縄における天然林の資源植物学的研究 (VI) : 宮古島の資源植物について
- 熱帯・亜熱帯性資源植物の収集・保存に関する研究 (XI) : 慶良間諸島の森林資源について(附属熱帯農学研究施設)
- 熱帯・亜熱帯性資源植物の収集・保存に関する研究 (IX) : 沖縄本島中南部の森林資源について(附属熱帯農学研究施設)
- イヌマキ林調査報告 (II) : 宮崎県内山国有林のイヌマキ天然林の群落構造について(農学部附属演習林)
- フィリピン公有林の木材生産構造(生物生産学科)
- 西表島における牧草地の植生と採食植物(附属演習林)
- 西表島の亜熱帯常緑広葉樹林における皆伐火入れ18年後の林分構造と種多様性
- 西表島における天然林皆伐13年後の二次遷移
- 沖縄の常緑広葉樹林地における皆伐 5 年後の実生更新
- 熱帯・亜熱帯性資源植物の収集・保存に関する研究 (XIII) : 西表島の天然林について
- 熱帯・亜熱帯性資源植物の収集・保存に関する研究 (XII) : 石垣島の森林資源について(熱帯生物圏研究センター)
- 沖縄県における天然林改良事業についての考え方
- 南西諸島における荒廃原野の育林技術に関する基礎的研究 : 1 LANDSAT-TM データによるギンネム原野のエリア区分について(生物生産学科)
- 荒廃林地における森林育成のための施肥と肥料木植栽の効果(生物生産学科)
- 天然生常緑広葉樹林の林相改善に関する研究 : 第 6 報 天然林内におけるフクギの発芽率と伸長成長について(附属演習林)
- 第 5 報 除伐後の林分構造及び樹下植栽イスノキの活着率と成長について(天然生常緑広葉樹林の林相改善に関する研究)(附属演習林)
- 第 4 報 イスノキ樹下植栽試験地の林分構造(天然生常緑広葉樹林の林相改善に関する研究)(附属演習林)
- 第 2 報 除伐 5 ヶ月目の萌芽の状況(天然生常緑広葉樹林の林相改善に関する研究)(附属演習林)
- 第 1 報 イスノキの樹下植栽 2 年後の活着率と成長について(天然生常緑広葉樹林の林相改善に関する研究)(附属演習林)
- The water holding and soil conserving capacity of pine and broad-leaved mixed forests in the middle and upper reaches of the Changjiang River
- 沖縄県における森林組合作業班の活動特性
- 亜熱帯沖縄における天然林の資源植物学的研究 (V) : 石垣島於茂登岳山麓のサキシマスオウノキについて
- 亜熱帯沖縄における天然林の資源植物学的研究 (IV) : 平久保のヤエヤマシタンについて
- 沖縄島照葉樹林におけるリター量の季節変化
- スギみぞ腐病にかかった幼令林の被害解析について(林学科)
- 沖縄の照葉樹林における帯状伐採施業7年後の保残区残存木の生育状態
- 西表島の農耕地雑草と帰化植物の分布ならびに発生の様相(附属農場)
- 熱帯・亜熱帯性資源植物の収集・保存に関する研究 (VII) : 沖縄本島北部の森林資源について(附属熱帯農学研究施設)
- 琉球列島の森林・林業に関する若干の所見(生物生産学科)
- オーストラリアと日本の育成林業の比較(生物生産学科)
- 日本の将来の木材供給についての検討(生物生産学科)
- 沖縄におけるイタジイ優占の常緑広葉樹林の萌芽更新 : II. 萌芽の位置と成長
- 沖縄島北部における常緑広葉樹林とリュウキュウマツ林の土壌の理化学性比較
- 沖縄島におけるイタジイ優占の常緑広葉樹林の萌芽更新 : I. 根株の枯死と腐朽に関する研究
- 沖縄本島北部における天然生常緑広葉樹林のリターフォール及びそれによる養分還元量について
- 沖縄本島北部における天然生常緑広葉樹林の A_0 層の有機物及び養分集積量について
- 熱帯有用樹の導入・育成に関する研究 : 第 2 報巨大ギンネムの発芽及びさし木試験(附属熱帯農学研究施設)
- 熱帯・亜熱帯性資源植物の収集・保存に関する研究 (II) : 西表島の森林資源について(農学部付属熱帯農学研究施設)
- 亜熱帯地域の森林施業に関する研究 (VIII) : 焼却 2 年後の二次遷移について(付属熱帯農学研究施設)
- エゴノキの施業について (II)(林学科)
- エゴノキの施業について (I)(林学科)
- 天然生広葉樹林分の施業に関する研究 II : 山地地形のちがいと林分構成(農学部附属演習林)
- 天然生常緑広葉樹林の林相改善に関する研究 : 第 7 報 イスノキ,イヌマキ及びフクギの林内における樹高成長について(附属演習林)
- 森林の水源かん養機能に関する研究 : 1. 辺野喜ダム流域の貯留機能と流況特性(演習林)
- 南西諸島における荒廃原野の育林技術に関する基礎的研究 : 2. 空中写真の画像処理による荒廃原野の分布状況の解析について(附属演習林)
- 天然林における測竿による樹高測定の誤差について(附属演習林)
- 新中国建国後における湘南省造林・緑化事業の展開
- リュウキュウマツに対するソウシジュの混交効果試験 I (林学科)
- 亜熱帯照葉樹林域における択伐8年後の根株の腐朽状態と残存木の生育状態
- 熱帯・亜熱帯性資源植物の収集・保存に関する研究 (IV) : 沖縄本島北部の森林資源について(附属熱帯農学研究施設)
- 沖縄における天然生常緑広葉樹林のリター現存量について
- 複層林に関する研究 : 1. 上層の林分構造と下層木の成長について(演習林)
- 沖縄におけるイタジイ林の更新 : 3. イタジイ稚苗の生育におよぼす被陰の影響(予報)(農学部附属演習林)
- イタジイ林の更新 : 2. イタジイ種子の発芽に及ぼす温度と貯蔵の影響(附属演習林)
- イタジイ林の更新 1. 天然林の階層構造と年齢構造(演習林)
- 沖縄地方におけるせき悪土壌の分布とその理学的化学的性質に関する研究 (I) : 主要島土壌の化学性(演習林)
- 亜熱帯地域における常緑広葉樹林の択伐方式による施業法の研究 (XII) : 試験地の土壌の理化学性(演習林)
- 亜熱帯地域における常緑広葉樹林の択伐方式による施業法の研究 (VIII) : 天然生常緑広葉樹林の立木腐朽について(農学部附属熱帯農学研究施設)
- 亜熱帯地域の森林施業に関する研究 (VI) : オキナワウラジロガシ林の林分構造(附属熱帯農学研究施設)
- 沖縄の日長条件下におけるマツ属の生長制御に関する研究 (II)(農学部附属演習林)
- 沖縄の日長条件下におけるマツ属の生長制御に関する研究(I) : アカマツ, クロマツの栄養生長におよぼす日長の影響
- 与那演習林の植物 (II) : 樹木検索誌(農学部附属演習林)
- 与那演習林の植物 (I) : 1. 樹木目録(林学科)
- 沖縄におけるスギのさしき(林学科)
- 中国湖南省におけるコウヨウザン人工林の相対直径の特性分析
- 除伐後の林分構造(亜熱帯地域における常緑広葉樹林の択伐方式による施業法の研究 (III))(附属演習林)
- モウソウチク竹材生産林分における施肥モデルの応用
- モウソウチクのバイオマスと肥料利用係数の予測モデル
- 試験地の設定と択伐前の林分構造(亜熱帯地域における常緑広葉樹林の択伐方式による施業法の研究 (IV))(附属熱帯農学研究施設)
- 試験地の設定並びに除伐前の林分構造(亜熱帯地域における常緑広葉樹林の択伐方式による施業法の研究 (II))(附属演習林)
- 萠芽率および萠芽本数について(亜熱帯地域における常緑広葉樹林の択伐方式による施業法の研究 (I))(附属演習林)
- 天然生広葉樹林の利用率について(資料)(農学部附属演習林)
- イジュ人工林の樹冠直径及び相対幹距に基づく除間伐基準の検討
- 沖縄島北部における常緑広葉樹林の林分構造と樹種多様性(Journal of Forest Research)
- 沖縄島北部の亜熱帯照葉樹林における帯状伐採施業7年後の二次遷移
- 亜熱帯沖縄における天然林の資源植物学的研究(VII) : 主要島嶼の植物の分布について
- 複層林に関する研究 : 2. 上層が天然生広葉樹林の場合について
- 林分内におけるリュウキュウマツの蒸散量の季節変化(リュウキュウマツの造林法研究 IV)(農学部附属演習林)
- リュウキュウマツの造林法研究 III : 異なる地形におけるリユウキユウマツ幼令林の生長(農学部附属演習林)
- 幼令林の肥培試験(リュウキュウマツの造林法の研究 II)(農学部附属演習林)
- 播種時期および施肥法のちがいによる生育試験(リュウキュウマツの造林法の研究 I)(農学部附属演習林)
- リュウキュウマツ種子の発芽適温(農学部附属演習林)
- 天然生広葉樹林分の施業に関する研究 I : 沖縄北部山地における天然生広葉樹林分の林分構成について(林学科)
- 水土保全林の密度管理
- 中国湖南省におけるコウヨウザン人工林の成長特性に関する研究
- 早生樹種同齢林分の成長モデルに関する比較研究(生物生産学科)
- 木材伐出業の木材生産構造に及ぼす影響 : フィリピン・ミンダナオ島を事例として(生物生産学科)
- リュウキュウマツ林の水分特性と乾燥害回避に関する研究(附属演習林)
- レクリェーション・エリアの分析(西表島の森林レクリェーションに関する研究 (III))(農学部附属熱帯農学研究施設)
- 土壌水分条件とリユウキユウマツ苗木の蒸散量, 葉の水ポテンシャルおよび含水率との関係(農学部附属演習林)
- リュウキュウマツ苗木の蒸散作用におよぼす風の影響(農学部附属演習林)
- リュウキュウマツ苗木の蒸散量と葉の水ポテンシャルの日変化(農学部附属演習林)
- 林分内におけるリュウキュウマツの蒸散量および針葉の水ポテンシャルの日変化, 季節変化(リュウキュウマツの造林法研究 V)(農学部附属演習林)
- 熱帯農学研究施設用地内の森林植生(資料)(農学部附属演習林)
- 沖縄に生育する有用広葉樹の重量生長に関する研究 III : タイワンハンノキおよびモクマオウの原料材としての利用率(林学科)
- リュウキュウマツ林の施業に関する研究 (III) (資料)(林学科)
- 沖縄に生育する有用広葉樹林分の重量生長に関する研究 II : タイワンハンノキ (Alnus formosana Makino) について(林学科)
- 沖縄に生育する有用広葉樹の重量生長に関する研究 I : オキナワシイ (Castanopsis lutchuensis Nakai) について(林学科)
- リュウキュウマツ林の施業に関する研究 (II)(林学科)
- 天然生常緑広葉樹林の林相改善に関する研究 : 第3報 林内播種におけるイスノキの発芽率について