早生樹種同齢林分の成長モデルに関する比較研究(生物生産学科)

概要

論文の詳細を見る
本研究は, 早生造林樹種の成長予測に資する目的でいくつかの成長モデル式の適応性について検討を試みたものである。7樹種(フィリピン3,沖縄3,九州1)について, 林分平均胸高直径, 平均樹高, ha当り立木幹材積を資料にミッチャーリッヒ, ゴンペルツ, ロジステック, 修正指数の各式について分析した。各々の式は係数を最小自乗法で算定して得た。各式の当該パラメタに観測値を代入してその理論値を算出し, 式の適応性を比較検討した。林齢や成長に関係するパラメタ等供試資料の範囲内においては, 得られたモデル式は相対的に有効と評価できるが, 総体的にミッチャーリッヒ式が最適であると言える。他の3式は成長過程を示すことはできても, ミッチャーリッヒ式ほど良好とは言いがたい。同様に算定されたモデルに基づいて, 各々の樹種についても比較を行った。フィリピンの供試樹種は沖縄, 九州の樹種に比べて成長が早い。これらの結果は, 得られたモデル式が林分成長予測システムを調製するための基礎として利用することに有効であることを示している。
琉球大学の論文
1995-12-01