沖縄に生育する有用広葉樹林分の重量生長に関する研究 II : タイワンハンノキ (Alnus formosana Makino) について(林学科)
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概要
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本調査は, タイワンハンノキの重量生長を測樹学的な立場から把握することによってタイワンハンノキの原料材としての特性を検討し, タイワンハンノキの合理的な施業法を確立する目的でおこなった。調査の結果を要約するとおよそ次のとおりである。1単木生材重量単木生材重量と胸高直径, 樹高および幹材積との間には, 次式のような関係が認められる。1).y=0.3869x^<2.1505>ここにy : 単木生材重量x : 胸高直径2).y=0.00046x^<4.35191>ここにy : 単木生材重量x : 樹高3).y=0.6789+907.5358x(r=0.999)ここにy : 単木生材重量x : 幹材積すなわち, 単木生材重量は, 胸高直径および樹高の増加にともなって曲線的に増加し, 幹材積に対しては比例的に増加する。また, これらの回帰式は, いずれも実測値とよく適合し, 相関度も高い。とくに幹材積との関係においては, 相関係数が0.999とほぼ完全相関を示す。したがって, いずれの測定因子からも単木生材重量を推定することは可能である。2単木標準比重単木標準比重は, 胸高平均比重と最も相関度が高く, 胸高平均比重の増加にともなって増加する。胸高直径, 樹高および幹材積の大きさには影響されず一定の数値をとる。3単木全幹重量単木全乾重量と各測定因子との関係を数式で示せば次のようになる。1).y=0.1801x^<2.1647>ここにy : 単木全乾重量x : 胸高直径2).y=0.0002x^<4.3894>ここにy : 単木全乾重量x : 樹高3).y=-1.1322+450.9167x(r=0.997)ここにy : 単木全乾重量x : 幹材積4).y=12.2000+2379.9935x(r=0.964)ここにy : 単木全乾重量x : 枝条材積5).y=-1.5491+0.4974x(r=0.999)ここにy : 単木全乾重量x : 単木生材重量6).y=9.8618+2.0658x(r=0.969)ここにy : 単木全乾重量x : 枝葉重量すなわち, 単木全乾重量は, 胸高直径および樹高とは曲線的な関係を示し, 幹材積, 枝条材積, 生材重量および枝葉重量の各因子とは直線的な関係を示す。また, それらの関係式は, 実測値とよく適合しているので, いずれの因子からも単木全乾重量は推定できよう。4.全乾重量生長量1).本林分のha当り連年重量生長量は, 31.810ton∿18.102tonの範囲にあり, 平均は24.956tonである。また, この場合の推定精度は27.46%である。2).ha当り全乾重量は160.783tonでha当たり材積は335.84m^3である。したがって本林の林分標準比重は0.479ton/m^3である3).全乾重量の生長率は15.52%で材積の生長率15.87%よりわずかにおとる。5.材積生長量と重量生長量の比較1).本林分の材積平均木, 生材重量平均木, 全乾重量平均木および胸高断面積平均木の胸高直径は, それぞれ15.4cm, 15.3cm, 15.3cmおよび15.4cmとなり, その差はわずか0.1cmである。その程度の差は誤差とみなしうるので, 本林分のそれぞれの平均木の胸高直径は, 一致するといえよう。2).単木皮内全乾重量, 単木皮付全乾重量, 単木生材重量お幹材積の胸高直径に対する変化は, お互いにほぼ平行的である。3).単木当り連年材積生長量と連年重量生長量の胸高直径に対する変化は, ほぼ平行的な関係を示す。
- 琉球大学の論文
- 1970-12-01
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