沖縄における天然生常緑広葉樹林のリター現存量について

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本調査は, 沖縄の天然生常緑広葉樹林のリターの現存量について, 22箇所で調査を行い, 地形, 土壌型及び林分構造との関係を検討したものである。調査の結果を要約すると, およそ次の通りである。1.天然生常緑広葉樹林のリター現存量は約12ton/haで, リュウキュウマツ林の17ton/ha(今回, 5箇所で調査)に比べるとやや少ない。また, 暖帯地方のナラ, カシ林とはほぼ近似した値を示すが, 冷温地方のブナ林と比較すると, その約40%程度である。2.全リター量の内, 葉リター, 枝リター, 幹リター及び(F+H)層の占める割合は, それぞれ36%, 22%, 20%及び22%となっていて, 葉リターが最も多く, それ以外は殆ど類似している。3.リター現存量は, 土壌型と密接な関係を示し, 土壌の乾燥したY_B型で多く, 土壌水分の比較的多いY_C型では少なくなる傾向がある。4.リター現存量と林分構造との関係をみると, 平均直径, ha当たり本数及び断面積とは比較的高い相関が認められるが, そのほかの因子とははっきりした傾向を示さない。5.リターの分解速度を表す(F+H)/L_lの値を比較すると, 寒冷地方で大きく, 暖帯, 亜熱帯地方で小さくなっている。すなわち, 寒冷地方で分解速度は遅く, 暖帯, 亜熱帯地方で速いといえる。
琉球大学の論文
1997-12-01

沖縄における天然生常緑広葉樹林のリター現存量について

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