第 1 報イスノキの樹下植栽 2 年後の活着率と成長について(天然生常緑広葉樹林の林相改善に関する研究)(附属演習林)

概要

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本研究は,天然林生常緑広葉樹林を優良材生産林へ誘導するために,イスノキの樹下植栽を行い,2年後の活着率と樹高成長について調査したものである。調査の結果を要約するとおよそ次の通りである。1) 活着率は平均87.3%と極めて高い。これは,天然林へのイスノキの樹下植栽が可能であることを示している。2) 林分構造や地況等の環境要因の活着率に与える影響は,それほど敏感なものではない。3) 枯損木の大半は猪の被害によるもので,その被害は全本数の約10%にも及び無視することはできない。4) 2年間の樹高成長量は9.5∿26.4cmの範囲で,平均16.8cmと余り良好とはいえない。5) 樹高成長は林分の平均樹高とは負の相関を示し,相対照度とは逆に正の相関を示すが,はっきりした傾向を求めるためには,今後さらに資料の追加収集が必要である。
琉球大学の論文
1990-12-05