天然生常緑広葉樹林の林相改善に関する研究 : 第 6 報天然林内におけるフクギの発芽率と伸長成長について(附属演習林)

概要

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フクギが天然林を構成する樹種になり得るかどうかを検討するために,天然林内にフクギの種子を播種し,その発芽率及び伸長成長について調査を行った。林内におけるフクギの発芽の経過は,苗畑の場合と類似し,播種後およそ6∿7ヶ月に発芽が始まり,約10ヶ月(8月)までにほぼ終了する。発芽率は最終的には林内で75.8%,苗畑で68.0%となる。発芽後の伸長成長は,平均で苗畑8.89cm,林内15.22cmで,林内の方がかなり優れている。また,林内における8つのプロットで比較すると,相対幹距が小さいプロットほど伸長が高くなる傾向が認められる。このことは,フクギが光の透過率の小さいところでも良く生育することを表しており,樹下植栽または林内播種によって,天然林を構成する1つの樹種になる可能性のあることを示している。
琉球大学の論文
1992-12-01