沖縄島北部の亜熱帯照葉樹林における帯状伐採施業7年後の二次遷移
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概要
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本論文は沖縄の亜熱帯照葉樹林地帯において,天然更新を基盤とする各種天然林施業法に関する研究の一環をなすものである。帯状伐採施業は1994年実行され、保残区残存木の報告に引き続き施業7年後の伐採区について調査した。試験林設定時の伐採区は伐採樹種53種、891株で、今回は根株(伐採株)の腐朽状態と萌芽幹、実生幹、新規発生木を樹高1.0m以上の全出現個体について毎木調査を行った。根株の枯死率(腐朽状態-d-)は34.7%で,施業試験地が隣接する皆伐施業林の一年後、5年後の枯死率より高くなり,根株枯死率は伐採経年た伴って増大傾向を示した。根株の生育状況は約1/3の完全腐朽(枯死)に対して,多数の根株が生存あるいは萌芽幹を発生しており,そのうち根株の12.8%が萌芽幹発生・原型保持(腐朽状態-a-)、42.6%が萌芽幹発生・部分腐朽(b)、9.9%が萌芽茎発生・完全腐朽(c)であった。施業7年後の二次林の樹種は74種で、そのうち49種が萌芽由来、69種が実生由来となり、伐採前林分(天然林)の53種より増加していた。萌芽力が強い天然林優占種のイタジイは、二次林途中相でも優占していた。実生由来と萌芽由来の間で、平均樹幹密度は実生由来が萌芽由来より高く有意差がみられたが、基底面積は有意差がなかった。胸高直径4cm以下の樹幹密度と基底面積は実生由来が萌芽由来より高く、胸高直径4cm以上の基底面積は萌芽由来が実生由来より高い値を示し、早期の二次林途中相では実生由来の多数個体が下層に出現し、萌芽由来が上層を占めていた。天然林伐採後、先駆樹種が侵入し樹種増加を伴うが、天然林構成種の萌芽由来と実生由来の発生がみられ、帯状伐採施業7年後の再生林は進行遷移に属することが示唆された。
- 2005-12-01
著者
-
新里 孝和
琉球大学農学部付属演習林
-
新本 光孝
琉球大学熱帯生物圏研究センター
-
新里 孝和
琉球大・農・附属演習林
-
呉 立潮
琉球大学熱帯生物圏研究センター西表実験所
-
呉 立潮
中南林業科技大学資源与環境学院:琉球大学熱帯生物圏研究センター
-
新里 孝和
琉球大学農学部
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