家庭用フリーザによる牛肉の保存費用 : 保存費用と価格上昇による費用との差の推定

概要

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このところ,世界的に食料品の価格上昇が続いているが,筆者らは,考えられるパラメータを組み入れた上で,フリーザによる牛肉の保存に要する費用を継続する牛肉の価格上昇による費用と比較した。フリーザ保存が有利なパラメータの内容のみコンピュータに打出させ,それをもとに,消費者が,フリーザ保存をすべきか,どうかの判断基準に利用できる簡便な図を作成した。えられた簡便図の使用について,まとめると,1.金利の影響が,きわめて大きいので,保存期間が,3ヶ月の場合には,Fig.6を用いるべきである。2.たとえば,脂肪分の少ない牛肉の価格の前月比が,このところ,継続的に大きく,平均,2.5%になり,現在の価格が3.6千円/kgのような情勢下では,6ヶ月間で,家庭消費量が20kg以上の場合,Fig.7から家庭用小型フリーザを新規に購入したとしても,常に,保存する方法が,その都度の購入方法より有利といえる。3.この種の計算は,牛肉以外にも適用でき,対象品目の漸次的消費から生ずるフリーザの回復スペースの他品目への効率的使用法を同時に考慮すれば,家庭用フリーザの果す役割は,計り知れないであろう。
帯広畜産大学の論文
1974-12-25