大豆,金時,手亡,小豆種子の吸水に対する温度の影響

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大豆(トヨスズ),金時(大正),手亡(改良),小豆(タカラ)の4種の豆類の種子を5,10,15,20,25℃の任意な1つの温度に保持させた恒温水槽の中で吸水させ,吸水に対する温度の影響を調べた。1.低温度においても,10時間後,ほぼ,飽和含水率に達しやすいものの順序は,手亡,金時,大豆,小豆である(表-2)。2.手亡,金時の吸水曲線はS型であり,とくに,金時では,低温ほどS型の変曲点までの左側が長くなり,型の上で小豆の高温側と類似する。大豆においては,低温ほど,直線的である(図2-1,2-2,2-3,2-4)。3.金時の15℃での吸水曲線が,豆類の吸水期にすでに発芽期の混入のあることを暗示する(図2-2)。4.吸水実験式の一般式をy=-10^<ax+b>十Cと仮定し,それへのあてはめでは,大豆がもっともよく,手亡,金時,小豆の順であるが,温度に関しては前項のようにS型の変曲点までの左側が長くなるほど,不適合性が増大する。5.吸水実験式の定数bが温度に対して,ある傾向をもって変化することから,吸水初期の適合性が減少するのがわかる(表-3)。6.横軸に温度,縦軸に含水率をとった吸水温度曲線の形状が,おおかた吸水曲線に類似する(図3-1,3-2,3-3,3-4)。7.吸水に対する時間と温度の影響力について,一次重回帰直線の式による表現では,実状にあわなかったが,前項から,ほぼ,この両者は,同程度であると考えられる。8.吸水速度の大いさは金時,手亡,大豆,小豆の順であり,小豆は金時の約1/4である。大豆は低温ほど,一定の吸水速度を保ち,金時,手亡では,高温になるにつれて,最大吸水速度が低含水率側に移行する。小豆の吸水速度は温度上昇にしたがって,漸次増大するものの,最大速度は13〜15(%/h)にとどまるものと推定される(図4-1,4-2,4-3,4-4)。9.温度t(℃)を横軸,温度に対する含水率増加量dM/dtを縦軸にとった温度効率曲線を得たが,大豆では,4時間まで,高温ほど,温度効率がよく,6時間以後,19℃位が有利とわかった(図5-1,5-2,5-3,5-4)。10.前項を経過時間と組み合わせたプログラミングとして表にまとめたが,吸水全所要時間という要因は含まれていない(表-4)。
帯広畜産大学の論文
1970-11-25

大豆,金時,手亡,小豆種子の吸水に対する温度の影響

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