粉末緑茶の添加が蒸しパンの品質におよぼす影響
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概要
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粉末緑茶を蒸しパン生地に添加し、「蒸す」という加熱方法によって、緑茶中のビタミンCや、クロロフィルがどのような変化をうけるか、また緑茶が蒸しパンの膨化、嗜好性などにどのような影響をおよぼすかについて検討し、得られた結果を要約すると1.粉末緑茶の添加量が増加するにつれて、膨化率が低下する傾向がみられ、その原因の1つとして粉末緑茶中のタンニンが関与していることを確かめることができた。2.粉末緑茶パンにおけるアスコルビン酸残存率は、10.1%と非常に低かった。これは、ベーキングパウダーの添加によって、pHが高くなり、さらに加熱によりアスコルピン酸の分解が促進されたためではないかと考えられる。3.「蒸す」という加熱条件では、クロロフィルaの残存率は、焼く場合に比べて幾分高い値を示した。4.官能検査では、白パンに比べて表皮の色、香り、味の点で、粉末緑茶パンの評価が高く、粉末緑茶の添加量は、2.0%の場合が外観、すだち、触感、味、総合の点で好ましいという結果がえられた。また粉末緑茶パンと白パンの経時的嗜好性については、両者ともに、総合評価の点で、2時間放置のものが、48時間放置に比べ好ましいとされた。なお粉末緑茶パンの緑色は経時的に退色するにもかかわらず、表皮の色、皮質は室温(20±2℃)で2時間放置よりも48時間放置の方が嗜好性が高いという傾向が見られた。
- 1990-08-20
著者
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