2,4-ジクロルフェノキシ酢酸(2,4-D)耐性トマト培養細胞の選抜

概要

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トマト品種福寿2号の発芽種子から誘導したカルスを使用し,2,4-Dに耐性を示す培養細胞の選抜を試みた.15μg/mlの濃度(通常の30倍)の2,4-D存在下でも増殖しうるカルスが,突然変異誘起剤MNNGで処理したトマトカルスおよび無処理トマトカルスの双方から得られ,これらのカルスを数回継代培養して,それぞれ2,4-D耐性系統RHA-15-MおよびRHA-15と命名した。両系統の増殖を比較した場合,後者の系統の方が高い増殖程度を示したので,RHA-15系統について以下の実験を行った。RHA-15系統のカルスを通常培養条件(0.5μg/mlの2.4-Dを添加したMurashige-Skoogの培地を使用)で一定期間培養し,その後15μg/mlの2,4-D存在下で再度培養しても,2.4-D耐性は保持されていた。さらに,2,4-Dに対する耐性はカルス密度をかえて培養しても保持されており,生理的原因による一時的な変異でないことが示された。また,RHA-15系統のカルスは,2,4-Dに対してだけでなく,同じフェノキシ系のオーキシン剤である2,4,5-Tに対しても同程度の耐性を示すことが判明した。
近畿大学の論文
1985-03-15