トマトうどんこ病菌接種検定による病害抵抗性遺伝子の検索 : 栽培種および野生種トマトにおける抵抗性ならびに感受性の評価
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概要
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1998年秋,近畿大学農学部実験温室のトマトにうどんこ病が大発生した。トマトに感染するうどんこ病菌は従来からも報告されていたが,このように激しく発症するものはなかった。筆者らの研究室で本菌の同定を試みたところ,閉子のう殻を形成しないことから,分生子世代の特徴とDNAによる鑑定を行って,最終的にOidium neolycopersici L. Kissと同定し,さらに,新規のトマトうどんこ病菌として日本植物病名目録(日本植物病理学会刊行)に登録した。その後,他の府県においても本病の発生が報告されるようになり,本格的な防除対策が急務となった。現在のところ,本病は従来の殺菌剤で防除できるが,筆者の研究室では,耐性菌の出現や環境負荷に対する懸念を考慮し,育種技術を用いた病害抵抗性系統の育成を進めている。このような育種学研究においては,抵抗性の遺伝子資源を確保することが必須であることから,栽培種のみならず野生種のトマトについても広く種子収集し,加えて,それぞれのトマト系統(品種)がうどんこ病菌に対してどのような反応を示すかを解明することが必須であると考えた。本研究では,今までに収集した197種類のトマト系統のうち,183種類のトマトにうどんこ病菌の分生胞子を接種し,それぞれの抵抗性・感受性の別とその程度,あるいは宿主植物が示す細胞反応について解析した。本論では,それらの結果を一覧表にまとめたので,ここに公表する。
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