マイクロインジェクション法によるトマトカルス多細胞へのタバコモザイクウイルスの接種とその増殖・移行
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概要
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トマトカルスから分離した4細胞以下の細胞からなる小集塊にマイクロインジェクション法を用いてタバコモザイクウイルス (TMV) を注入し, 多細胞系におけるTMVの増殖とその細胞間移行について検討した. カルス小集塊にTMVをインジェクトする場合, 集塊構成細胞の最端の細胞にのみTMVを注入するが, いずれの集塊においてもTMV濃度が100μg/mlの接種液を10秒間注入したときに, 接種48時間後で集塊構成細胞のすべてがもっとも効率よく染色された. この接種条件下で, 集塊構成細胞のうちTMVをインジェクトした細胞とその隣接細胞がそれぞれ染色される割合を経時的に調べたところ, 両者においてTMVは同調的に増殖していることが明らかとなった. このようなことから, カルスの多細胞系にTMVを注入した場合, TMVはすみやかに隣接細胞に移行し, それぞれの細胞で同調的に増殖する様式が考えられた.
- 日本植物細胞分子生物学会の論文
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