Agrobacterium rhizogenes によるメロン形質転換体の作出

概要

論文の詳細を見る
メロンの形質転換体を作出する目的で, A. rhizogenes による遺伝子導入系を検討した. まず, メロン葉片に本菌を接種し, 誘導された毛状根からの個体再生条件を検討した. それによると, ホルモン添加培地で毛状根からカルスを誘導すると, そのカルスから shoot が高頻度に形成され, 再度ホルモンフリーに戻すと, shoot から二次毛状根が形成された. この方法で毛状根から再生体を得ることが可能となったので, 本菌にNPT IIおよびGUS遺伝子を有するプラスミドを導入し, 同様の接種試験を行って, メロンにおける両遺伝子の発現を検討した. すなわち, カナマイシン抵抗性ならびにGUS (+) の毛状根系統を選抜し, 選抜系統の染色体DNAをGUS遺伝子をプローブとしたサザンプロット法で解析した. その結果, 本遺伝子の染色体への組み込みが証明され, さらに本系統からカルス, shoot および二次毛状根を誘導し, カナマイシンならびにGUS活性を調べたところ, いずれにおいても両遺伝子の発現が確認され, 本法がメロンの形質転換体作出に有効であることが示された.