イネ第1葉の細胞長と細胞数に及ぼす矮性遺伝子の影響

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北海道品種'しおかり'とこれを遺伝的背景とする7種の矮性準同質遺伝子系統(Sh-d_1,Sh-d_<3,4,5>,Sh-d_<18>^h,Sh-d_<18>^k,Sh-d_<30>,Sh-d_<35>およびSh-d_<47>)を用いて,第1葉の外表皮および内表皮に沿って縦に並ぶ各一層の柔細胞の長さと数に対する矮性遺伝子の作用を調べた。得られた結果の概要は以下の通りである。1.第1葉長はSh-d_1およびSh-d_<18>^hが'しおかり'に比べて著しく短く,Sh-d_<18>^kとSh-d_<35>がこれに次いで短かった。Sh-d_<30>とSh-d_<47>は短縮程度が小さく,Sh-d_<3,4,5>は'しおかり'より有意に長かった。2.いずれの系統も外表皮側の細胞は内表皮側のそれより長かったが,両細胞層に共通して次のような事実が認められた。(1) Sh-d_<18>^hの平均細胞長および細胞数はそれぞれ'しおかり'の約60%および70%に減少しており,Sh-d_<18>^kおよびSh-d_<35>もそれらがいずれも'しおかり'の約80%に減少していた。Sh-d_1の細胞数は'しおかり'の約60%に減少していたが,細胞長の短縮程度は小さく'しおかり'の約90%となっていた。Sh-d_<3,4,5>の細胞長は'しおかり'と変わらず,細胞数だけが有意に多かった。(2)第1葉長と細胞数との間には高い正の相関がみられたが,前者と細胞長との相関はやや低かった。(3)葉の部位による細胞長の違いをみたところ,多くの系統は葉の下部ほど長い傾向にあった。しかしSh-d_<18>^hのように,系統によっては部位間の違いがほとんどみられないものもあった。
神戸大学の論文

イネ第1葉の細胞長と細胞数に及ぼす矮性遺伝子の影響

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